ゴーバスターズ感想記:21話と22話
毎週日曜日に東映特撮YouTube Officialで特命戦隊ゴーバスターズが配信されてます。
今週も簡易に感想を。
21話「さらば ブルーバスター」
2012年7月15日放送
監督:渡辺勝也
脚本:小林靖子
リュウジがまた熱暴走したら命が危ない?
というのはマサトの冗談だったのにゴリサキが真に受けてしまい勘違いが連鎖するという話し。
冗談だったと訂正するようにJに伝えたのにバナナちゃんなんて紛らわしい言い方をするものだから訂正の言葉が伝わることも無くリュウジがメタロイドを倒すまで勘違いが放置されるというおかしな事態に。
マサトの軽口が今回は災いした。冗談もほどほどに、大事なことは紛らわしい表現じゃなくちゃんと伝えようという教育的メッセージを感じる。
ゴリサキの勘違いをヒロムとヨーコも真に受けてしまいリュウジを戦いから引き離そうとする。
リュウジを年寄り扱いして戦いが終わるより先にお迎えが来てしまうと極端な想像をするわ、ブルーバスターの代役は森下にと無茶振りしたり真意を知った仲村は泣き出しちゃうし、もう無茶苦茶な状況に笑いが止まらない。
で、情報の出所がマサトと知って黒木は頭を抱える。マサトの冗談だとすぐ察するあたり同期として彼との付き合いに苦労してたことがここにも滲み出てる。
冗談を真に受けて変な事にはなったけど黒木が言及していた通りリュウジの存在が大きかったからこその騒動。
ヒロムもヨーコもリュウジを大切に思ってるからこそ無理やりな理由をつけてまで戦いから遠ざけようとしたわけで。
ギャグ回だけど仲間を思う心が顕わになっていたのが素敵。
22話「美しきアバター エスケイプ」
2012年7月22日放送
監督:渡辺勝也
脚本:小林靖子
エンターに続く新たなアバター・エスケイプが現れる。
メサイアをパパと呼び敬愛する彼女はメサイアを喜ばせるためにビルに人を閉じ込めメガゾードで諸共踏みつぶそうと企む。
地上侵攻のために戦力の増大とエネトロン確保を着実に進めるエンターとはそもそもの目的が違いメサイアの感情を満たすために動くのがエスケイプ。
20話の疑似亜空間でメサイアが快楽を覚えてしまったから感情を満たすためにエスケイプが作られたと。エンターが快楽を教えるのは早すぎたと零していたのはそういう事ね。
新幹部の登場が敵のボスの感情の流れとリンクしてるのが上手い構成だと感心します。
エスケイプ自身は強者と戦う事を望みビルに立て籠もった際は無暗に引き金は引かず自分を満たす者がいるかを見定めようとしていた。
土下座をしていたヒロムがレッドバスターとして本領を発揮するとそれを喜び戦いを楽しんでることが分かる。
登場初回で新幹部の誕生理由もその性格もすんなり理解できるように脚本も演出も構成させれてるのが上手いなあと感心。
エネトロン強奪の予告メールが届き調査にあたるゴーバスターズ。
子供の悪戯という読みは当たっていたがエスケイプが現れた事で嘘が本当になってしまった。
これも前回と併せて嘘は良くないという子供に向けたメッセージに感じる。
メールを送ったショウタは自分はゴーバスターズのサポーターだと友達に信じ込ませて自分が凄いと証明するために嘘をついた。
が、ヒロムは皆を救うためとはいえ敵の前で土下座をするというカッコ悪い姿を晒し、ショウタはその行動が理解できないと当人に思いをぶつける。
ヒロムは自分がどう見られるかより今この場でやるべき事をやっただけでヨーコもそれを分かってるから一々弁明なんかしない、その姿勢がカッコいい。
ヒロムは他人に自分の評価を委ねるから嘘をついてしまうんだとショウタを諭し、良いところも悪いところも自分自身なんだと認めることの大切さを説く。20話で自分の弱さを知り成長した事を思うとこの諭しも納得の言葉。
ショウタは嘘をついたけど友達を助けようと駆けだした事は本当だし友達もそれを分かっている。変に取り繕うとしたり自分を良く見せようと嘘をつくより自分らしくあれ、それをちゃんと分ってくれる人もいるんだってメッセージが素敵。
ヒーローが子供に大切な事を教えてくれる話って沁みるわあ。
| 固定リンク
「特撮」カテゴリの記事
- アバレンジャー感想記:37話と38話(2021.02.18)
- ゴーバスターズ感想記:35話と36話(2021.02.18)
- アバレンジャー感想記:35話と36話(2021.02.11)
- ゴーバスターズ感想記:33話と34話(2021.02.11)
- ゴーバスターズ感想記:31話と32話(2021.02.04)
コメント
ややこしい言い方をしただけでここまで変な事態が発生するのが可笑しすぎます。仲間が自分の弱点の為に命を散らす事を心配して皆が勝手に嘆くというギャグ回ではありますけど、同時にそれだけ仲間を大切に想っているのが凄く伝わるし、これ以降ヒロムも周りへの言い方について心掛けるよう気をつけるようになったのでここはメインライターの小林さんらしいですね。個人的には公園の遊ぶ為の物に意味不明な独り言をしているJが面白すぎて笑いが堪えられなかったです。よく見てないとわからないし特に印象に残る訳じゃないけど微妙にツボるというかやっぱり変にシリアスにし過ぎるよりこういうコミカルな描写こそ大事にすべきだと思います。こういう日常で垣間見える皆の喜怒哀楽が強烈に描かれるからこそいざ失ってしまった時の悲しみも大きいし。後はギャグもオーバーにし過ぎなかったらなお良し。黒木がマサトが発端だった子供に気づくのも長年の仲間だからこそですね。
そして遂に現れたエスケイプ。ゴーオンジャーのケガレシアを最後に顔出しの女性幹部は見掛けなかったから当時は久々に来たかという気分でした。思えばこの辺りからヴァグラスはわかりやすい破壊活動が多くなったように思いますね。それに従いエンターの頭の痛さも増していくのが大変そうで。エスケイプも当然好戦的であるので彼女の作るメタロイドもとにかく相手を潰す事に特化してるし、鍵の能力を利用した一部の行動の封じが大変でしたね。
今回もゴーバスターズは大変苦労しましたが、そんな中でのヒロムは自分がカッコ悪いかどうかより今本当に何が大事なのかをしっかり考えてやるべき事をやったのは偉いです。そんな自分の評価ばかり気にして結果的に犠牲を多数出したらそれこそ本当の意味でカッコ悪いし彼のやった事は間違ってないです。やっぱり簡単な事程大人になったら忘れがちなので肝に銘じたいですね。
投稿: アルター | 2020年12月30日 (水) 19時31分
コメント返信:アルターさん
勘違いからの騒動でしたが仲間を思うからこその納得の展開で面白かったです。
コミカルな描写も見られるようになって番組序盤より雰囲気が柔らかくなりましたが、経験を重ねて仲間の繋がりが強くなったからこそで、それは演じてるキャストの皆も続けてるうちに砕けてきたというのもあるんだと思います。
小林さんはそういうキャストの雰囲気や変化も考えて脚本を書いていると思うし、ヒロムの変化もその一つなんだと考えます。
Jはメインじゃなくても映ってれば何かしてて面白いのがズルい。スーツアクターさんが大分はっちゃけて演技してたみたいでそれに中村さんも引っ張られてどんどん面白いキャラクターになっちゃったらしいです。
エスケイプの破壊活動は十分恐ろしいし悪役としては十分な活動なんですが。
それがエンターにとっては悩みの種というのが捻ってて面白い。
単純な破壊による侵略が敵側の利益にはならないのが今作が従来の戦隊とは違うところを目指そうとしていたのが表れてたと思います。
突然新しい敵が現れても冷静にするべき事を判断し自分の見栄なんか考えないヒロムがカッコ良かったです。
カッコつけようとしない事が本当はカッコいいんだと時を経ても伝えてくれる、ヒーロー番組のこういうところが好きです。
投稿: んがよぺ | 2020年12月30日 (水) 23時21分