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2020年12月29日 (火)

アバレンジャー感想記:23話と24話

毎週日曜日に東映特撮YouTube Officialで爆竜戦隊 アバレンジャーが配信されてます。
今週も簡易に感想を。

23話「アバレ電波ドギューン!」
2003年8月3日放送
監督:渡辺勝也
脚本:荒川稔久

トリノイドが見つからないまま世の中への悪影響はどんどん広まりついには舞まで倒れてしまう。
父親失格だと自分の無力を悔いる凌駕の姿が辛い。敵のせいにするのではなく自分のせいだと言うのが舞を本気で育ててきた凌駕の人柄がうかがえるし、凌駕の努力を無にする敵の作戦の非道さも表れてて心に刺さる。
舞が流した涙にトリノイドの分身が潜んでたことを突き止めそこから本体の居場所を探り出す。
やられっ放しじゃいられない、舞も多くの人々も絶対救うというアバレンジャーの気迫を感じる。

しかしトリノイド本体の隠れ家には残酷な真実が待っていた。
前回聞き込みをした関係者全員がグルでトリノイドに魂を売っていた。視聴率、ヒットソング、トップアイドル、各々の夢を叶えるために自分たちからこの計画に乗ったと。
愕然とする凌駕。守ろうとしてた人たちが諸悪の根源だったなんてこんなに残酷な真実は無い。
だがテレビ局長の孫が悪影響を受けてる事をニュースで知り、動揺した隙をついてトリノイドを炙り出し計画は破綻。世の中を滅茶苦茶にしておいて自分の身内だけ助かろうなんて都合の良い事はないのだ。野望はここまでだという言葉は、もはや彼らのやってることは夢のためでは無く悪しき願いだという今の凌駕なりの精一杯の反論なんだと思う。
この場から消えろと温厚な凌駕には似合わない言葉。信じてた思いが裏切られた動揺、世の中を滅茶苦茶にした彼らへの怒り、渦巻く思いを表に出さないようにギリギリに抑えてもそれでも出てしまった言葉なんだと思う。

やっとトリノイドを倒したのにさらなる追い打ち。日没に間に合わずバキケロとディメノコを助けられなかった。
かろうじて爆発から2匹が生き残った・・・と思いきや壬琴に心を操られキラーオーの戦力となってアバレンオーの前に立ちはだかる。
ハリケンジャーのシノビメダル、ガオレンジャーのパワーアニマルとヒーローの戦力がライバルに奪われる展開はこれまでにもあったけど、今回は信じても報われないと人質の2匹の心を攻めて絶望させた上で心を操ってるから尚更たちが悪く絶望的な状況。

トップゲイラーの問いに人を信じた事は無いしこれからも無い、いつでも裏切っていいと寂しい事を言う壬琴。
次回幸人が言及するけど誰か信じられる人がいたら壬琴はこうはならなかったんだろうと思うと悲しい。
誰も信じてないから信じても裏切られると見せつけるために今回のゲームを仕組んだ。わざわざ忠告をした上で真実に辿り着かせて信頼を裏切られたバキケロとディメノコを操って見せつけるのがエグイ。。

Cパートでアイドルの一人が脱退を発表する様子が描かれて、それが僅かな救い。
でも会見を開いたのが関わった全員じゃなくて一人だけというのが苦味が残る。
いずれ関わった全員が相応の報いを受けることになるだろうと想像はするけど、過ちを悔いて動いたのが一人だけというのが、人間は欲深く自分の事しか考えて無いんだと壬琴の考えを証明してるようで厳しい。
トリノイドを倒して世の中は元に戻ったかもしれないけど壬琴の主張を覆すことは出来なかった、アバレンジャーの、凌駕の敗北なのが辛すぎる。
戦って負けるのとは違う、心を攻められ正義を否定される敗北、こんなに苦しくて辛い敗北を描くなんて当時の制作陣よくやったなあと思います。


24話「アバレ女子高生! ありえな〜い」
2003年8月10日放送
監督:渡辺勝也
脚本:會川昇

新たな創作意欲が湧かずサボろうとしていたミケラとヴォッファだがリジェに地上へ送り出されアナザーアースを散策する事に。
アナザーアースの文化を馬鹿にしていた2人だが動物や音楽や家電などなど目に映るものに興味津々で楽しんでいるのが面白い。
そして何故か女子高生に囲まれてモテモテで彼女たちに興味津々。
このまま地球を好きになってくれたら可愛いものだけどそうはいかず。女子高生を材料に新たなトリノイドとギガノイドを生み出そうとサラッと彼女たちを実験材料に考えてるからやっぱり彼らは侵略者で邪悪な存在なんだと表れてる。


壬琴の居所を探って爆竜たちを取り戻そうと幸人は単独行動をするが、その間に皆がミケラの本に閉じ込められてしまい大ピンチに。
壬琴に先手を打とうと躍起になってたのは仲間を取り戻したい思いはもちろん壬琴の主張を否定したいからだったのかも。誰も信じない壬琴にどこか同調するところが幸人の中にあって、仲間を取り戻すことで壬琴と自分は違うのだと証明したかったのかも。
その焦りが大事なことを見失って仲間のピンチを招く事になったが、笑理の叱咤と凌駕が幸人を信じてると電話越しに言葉を送ったことで仲間を取り戻すために立ち上がる。

皆を助ける秘策は・・・女子高生に変装?
いや確かに今ミケラとヴォッファが夢中になってるのは女子高生だから隠れ蓑にはちょうどいいし持っていた手鏡が助け出すきっかけにはなったけど、番組序盤の幸人からは考えられないはっちゃけぶりに驚く。
同行した笑理より変装した幸人の方が綺麗でミケラもヴォッファに幸人に夢中なのが笑えてしまう。いや笑理の心情を思うと笑っちゃいけないんだけど絵面が強烈過ぎてどうしても笑いを堪えられない。

プライドを捨ててまで仲間を助けるために体を張り仲間を苦しめた事に怒りを滾らせる幸人。
自分を信じてくれる皆を仲間だとハッキリ言葉に出した。父親との確執から家を飛び出した過去を持つ幸人は人を信じることに一歩引いてて、でも本当は人を信じたい思いをずっと抱いててそれがアバレンジャーになった事でやっと信じあえる仲間に出会えたんだなと思う。
敵幹部の地上散策と女子高生という変な絵面から幸人が仲間を思い信じる心を露わにする熱いドラマへの展開がお見事でした。
壬琴にも信じられる仲間がいればと幸人の談。壬琴は凌駕と対になるだけじゃなく幸人のあり得た可能性の姿でもあるのかなと思った。

ヴォッファが苦し紛れに作ったギガノイドをアバレキラーとキラーオーで倒す。
壬琴も本に閉じ込められたから彼らに借りを返すと一時的な共闘。
馴れ合わずにアバレンジャーとの共闘に持っていった展開もお見事でした。

幸人の変装を写真に収めてた笑理とのわちゃわちゃしたやりとりにCパートでは横ちゃんさんとミケラとヴォッファが飲み明かすオチ。
前回が辛い敗北回だっただけに今回の締めには心安らぐ。
今回の事で幸人と笑理の心が通って、将来2人が結ばれることになるのも成程納得だなあと。

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コメント

この絶望からの大爆笑はどう表現していいのかわからない所あるんですよね………だから双方のエピソードへの思う事に落差出る事断った上で書きますが………まず信じていた人達が実際は悪に手を染めていた事実が辛い。今回は凌駕が自分の娘がえらいことになったのを悔やむ姿をとにかく見せられたから非常にきつかったですよ。事件に関わった人達は身勝手な発言をする中自分の身内だけはとか言ってる時点でもう酷すぎるし、だからこそ凌駕の汚い言葉遣いながらもどこか悲しい怒鳴りはもう………仮面ライダーオーズの10話におけるドクター真木を殴りかけた映司もそうですが温厚な人が怒鳴る姿はある意味でショックです。

追い打ちをかけるようにタイムリミットに間に合わず仲間が爆破された直後敵の軍門に下って散々痛めつけられて終了というのもキツイ。平成ライダーはキツイドラマが多い分戦隊は低く見られる的な事以前話しましたけど、ガオレンジャー以降の戦隊だって今回のように挑戦的な事をしてるし、こんな人間の悪意にとことん迄触れてて幼稚な訳ないと思います。アイドルが一人辞めたのは救いかもしれませんが、凌駕の表情は映らずで………。

前にも書いたようにこういう話をネットのあちこちで最近の作品叩いてる人達も観てる筈なのに、もしかしたら誰かの勇気になってるかもしれない作品を踏み躙ったり最近の子供をバカにするような書き込みしてるのをポケモンベストウイッシュの頃に見かけてしまった時は本当にショックでした。良い作品を観てるのに何故最近の作品だって頑張ってるにも関わらずバカにするのか……あまり書くとあれだから省略するけど、色々突き詰めて考える内にどんなに頑張っても悪い事が起きる辺り悪事を止める意味なんてあるのか?とも考えてしまって………でもダイレンジャー最終回のように戦うしかないんですよね。

因みに最近話題になってる鬼滅の刃でもどんなに辛くても辛くても生きていくしかないという場面があって詳しくは言わないけどその作品の主人公達も辛い目に合いつつ真剣に闘っているんです。現実の人達にガッカリするかもしれなくても凌駕や鬼滅の主人公達のように強く生きたい物ですよ。

投稿: アルター | 2020年12月31日 (木) 00時36分

……………こんなとんでもない鬱極まりない話の後だからか次の話は信じられないレベルで爆笑しましたね。ここに来てミケラとヴォッファがアバレンジャーの面々と顔合わせしてそういや彼らは会ったこと無かったなと気付かされました。ミケラとヴォッファが壬琴に唆されて女子高生を狙うのが変な笑い出てくるし完全に変態のそれとしか………地球の文化を楽しむ姿は満更でもなさそうだったしこいつら生き残ってもよくない………?とも思ってたけど良く考えたら前回の問題起こした原因の一部でもある上に女子高生を実験材料程度に考えてるのでやっぱり許せない存在ですね。 

ミケラとヴォッファが案外強くて本に皆が捕まるけど、その中にヤツデンワニもいたから電話で仲間と連絡とれて一安心だったし幸人も女子高生の変装とかとち狂ってるけど相手の情報を読み取っての作戦だし、これも仲間と出会えた事で彼が変われた事を表しているんですよね。そこは普通に感動出来るなと。

パット見不謹慎な話だけど、23話があれ程のインパクトある鬱回なのを踏まえればある意味で洗浄回とも言えるしスタッフが真剣に作品を作ってるのが伺えます。クウガ〜カブト迄の平成ライダーを悪くいう訳じゃないけど個人的には電王以降のライダーや戦隊の方が見やすいです。電王以降はわかりやすくなった結果薄っぺらくなったとか言ってる人いたのですがそんな事無いですよね?こういう気持ちのメリハリをしっかり電王以降だってやってるから薄っぺらいという意見にふざけるなという気持ちもあって。どんなにキツい事があってもそれでも生き続けていきたい物ですね。

投稿: アルター | 2020年12月31日 (木) 00時57分

コメント返信:アルターさん

温厚な凌駕が怒りを抑えきれてないのがうかがて、感情のままに思いをぶつけるよりも葛藤がうかがえて切ないです。
キャストの名演と演出が光ります。めっちゃ辛いですが。

転じてミケラとヴォッファの珍道中は変な絵面に見えて敵の恐ろしさの軸はブレて無いのがこれまた演出の巧さだと感心。
苦い結果が残る思い空気からちょっと気分転換しつつ大事なことは外さず、敵の恐ろしさもそれに立ち向かう仲間の絆の強さも描いてる構成が素晴らしかった。

シリアスとコメディの空気の入れ替えが出来るのが通年放送番組の強み。どちらに偏っても作り手も視聴者も疲れますって。
その切り替えの巧みさはライダーより途切れずシリーズを続けてきた戦隊の方が一日の長があると思います。ライダーはブランクからの復帰のためドラマに振り切ったからこそクウガから続く平成ライダー初期は名作として語り継がれてますけど、じゃあ戦隊より優れてるかというとそもそもの成り立ちが違うんだから比べるのがナンセンスよねと自分は思うのですが。
平成ライダーが続いてようやくシリアスとコメディのバランスを万人受けするように調整できるようになった結果が電王で大ヒットになったんじゃないかなと思います。
積み重ねの賜物、どのシリーズも作品も次に繋がっているんですから単純にどっちが優れてるかなんて比べても面白くないですよ。

投稿: んがよぺ | 2020年12月31日 (木) 11時21分

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