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2020年10月 9日 (金)

ゴーカイジャー感想記:49話と50話

毎週日曜日に東映特撮YouTube Officialで海賊戦隊ゴーカイジャーが配信中。
今週分の感想です。

第49話「宇宙最大の宝」
2012年2月5日放送
監督:竹本昇
脚本:荒川稔久

バスコから5つの大いなる力を奪還したがこれを勝手に使ってもいいものかと迷うゴーカイジャー。
だが5大戦隊の戦士たちがゴーカイジャーを認めてくれてその迷いは杞憂に終わった。
ファイブイエロー/星川レミ、ブルーマスク/アキラ、グリーンフラッシュ/ダイ、チェンジグリフォン/疾風翔、バルイーグル/飛羽高之、錚々たるメンバーからの激励の言葉。
各戦隊の主題歌の歌詞を引用した言葉が熱いです。


ナビィが宇宙最大の宝に辿り着くための扉。エネルギーの補充無しで動き続ける永久機関であるナビィこそ扉なんだと前回バスコが言っていた。
8話でナビィは電池で動いてるんじゃないのかと冗談めかして言及があったけどそれが伏線だったとはね。
34の大いなる力でナビィが扉に変形しレンジャーキーをさして扉を開く。
その先に待っていた三角の物体こそ宇宙最大の宝。
34のスーパー戦隊の力を込めて願えばどんな事でも叶う、それこそ宇宙全体を創り変えることも可能だという。
宇宙の全てと同じ価値のある宝と何度も言及があったけど、なる程その力であれば宇宙最大の宝と呼ばれるのも納得。
ちなみに脚本の荒川さんは宝の正体をちゃんと形あるものにしたいと考えていて、絆だとか冒険を求める心こそ宝なんだとかいうような観念的なゴールにはしたくないと考えていたそうです。さらにジェットマン回で井上さんがゲスト登板した際に宝の正体を観念的なものにしたら軽蔑するとはっぱをかけられたんだとか。
そんな事があって辿り着いたのが宇宙そのものを自由にできてしまうアイテムというのがスケールのデカい発想だなあと。よく思いついたなと感心します。

地球の意思が教えてくれた宝の力に一度は目を輝かせるゴーカイジャーだったが。
各々に悲しい過去を持つ彼らにとってはその過去を変える事すら可能な力は欲しくてたまらないものだったけど。
その力を使えばスーパー戦隊というヒーローが存在した事実そのものも消滅してしまう。大きな力を得るために何の代償も無いなんて都合の良い話は無かった。
バスコだったら迷わずその力を使っていたんだろうな。彼の考えが正しいとは思わないけど、何かを得るために何かを捨てるという信条であればここで迷う苦しみも無かったんだろうと。
ずっと追い求めてた宝を目の前にして究極の選択を迫られる。バスコの言葉が今になって刺さってくることといい厳しい展開です。


インサーン最後の戦い。成果をあげなければ本国へ帰れないと追い詰められた彼女が巨大ロボで戦いを挑んできた。
対するゴーカイジャーは先ほど手に入れたばかりの大いなる力を駆使して応戦。
ゴーカイチェンジも力をくれた5戦士の姿へ。各戦隊の主題歌インストをBGMにそれぞれの技を見せてくれて大興奮。
短いカットでも各戦士の変身と技の演出の再現に愛が込められてます。
ゴーカイジャーを認めてくれた前半のシーンも後半の変身とアクションといい、バスコに力を奪われるという不遇の扱いと思われた5大戦隊にも華を持たせようという意地を感じる。
スーパー戦隊フリークの竹本さん渾身の演出。本当にありがとうございます。

自分の作った兵器で宇宙を制するのが夢だというインサーンだったがその思いは儚く散る。
アクドス・ギルとダイランドーは彼女に発破をかけたけど、それは大艦隊が地球に到達するまでの時間稼ぎに利用されただけ。
悪党で許させれない願いとはいえ、志半ばで身内に捨て石にされる最期は哀しい。
そしてザンギャック大艦隊が再び地球へ。最大の戦いが幕を開ける。


第50話「決戦の日」
2012年2月12日放送
監督:竹本昇
脚本:荒川稔久

ザンギャックの大艦隊を相手に戦うゴーカイジャー。大いなる力を駆使して次々と船を落としていく。
メガレンジャーの力で豪獣神が空を飛びゴーカイオーは劇場版で活躍したゴレンゴーカイーに合体。
マッハルコンや風雷丸たちも呼び出し総力戦。歴代戦隊の力をとにかく見せてやろうという意地、これも竹本さんの手腕あってこそ。
歴代戦隊の力で艦隊を蹴散らしていくのが爽快でした。


・・・が、それでも大艦隊の戦力は途切れない。船はまだまだ残っていていくら倒してもキリが無い圧倒的な物量。これが宇宙を制する帝国の真の力。
レジェンド大戦でやつらを倒しきれず追い返すのがやっとだったのもこの圧倒的な物量があったから。歴代戦隊が自身の力を犠牲に戦ったのも納得。
その力の前についにゴーカイジャーも敗れてしまう。ゴーカイオーも豪獣神も機能を停止する絶望的状況に。
そのまま一気に地球を蹂躙するのではなく地球人にゴーカイジャーが敗れた事を告げて翌日まで猶予を与えるアクドス・ギル。
地球を恐怖と絶望に包んだ上で滅ぼすつもりなのが悪辣。それを可能にする力を実際に見せつけているんだから恐ろしい。


このピンチを乗り切る方法、それは宇宙最大の宝の力でザンギャックの居ない宇宙に創り変える事。
地球と宇宙が救われるしゴーカイジャー自身の哀しい過去も救われるが、でもそのためにスーパー戦隊の存在を犠牲にしていいのか。
選択が迫られる中で彼らはこの絶望の中でも諦めない人々の強さを見る。
ルカとアイムは23話で助けた母娘と再会。妹を守るというルカとの約束を果たそうと体を張るミクの強さを見て、ゴーピンクのマツリが恐怖を覚えながらも勇気を持って戦い抜いたとの話を聞く。
ゴセイジャーを支えた天知博士とマジレンジャーから勇気を貰った山崎由佳が人々を助けて励ます。ヒーローと共に戦った彼らの存在を示してくれるのが嬉しいしその人たちがまた苦しむ人たちを助けているのも感慨深い。その様子を見ていたジョーとハカセ、スーパー戦隊の存在が人々の支えになってる事を彼らも知った。
ゴーミンに戦いを挑む少年は2話でマーベラスと心を交わした彼だった。今の自分が出来る戦いを精一杯やっているその姿がマーベラスの心を震わせる。この星の価値を自分で見つけてみろと2話で少年に返された言葉への答え、デカいものを見つけた、何処にでもあったと。
地球は彼らにとっては宝を手に入れる足掛かりでしかなかった。でも今は地球の文化もそこに生きる人たちの事も知り今また挫けない人々の強さを知った。
その強さを支えているのがスーパー戦隊の存在であることも。
この星の価値を知ったからこそそれを守りたいと思う、それが5人の決断。

その一方で板挟みの思いを抱く鎧。
マンモスレンジャーのゴウシと出会い、彼から歴代戦隊の願い、自分たちが倒せなかったザンギャックを今度こそ倒して地球を救ってほしいという思いを聞いたことで揺れ動く。
スーパー戦隊を愛し尊敬する鎧だからこそ彼らを犠牲にする事と彼らに託された願いの間で苦しむ。
その迷いの末に彼らの願いに応えることを選ぶ。愛するスーパー戦隊を犠牲にする答えを出した鎧の苦しみは計り知れない。


過去を受け入れて前へ進んできた、過去を否定したら今の自分を否定することになる。
鎧の答えにNOを突きつけた5人の答え。自分たちの過去を救う方法があるのにそれを選ばず過去を受け入れて前へ進むのだと。
スーパー戦隊の存在を消したくないというだけじゃなく自分たちの在り方も含めて宝の力を使うことを拒むのが良かった。
過去を無かったことにしたら平和な未来が約束されるかもしれないがそれは自分たちの力で掴んだものじゃないしその平和を願った自分自身の存在だって無くなってしまう。
自分が望むものは自分の手で掴む、それが海賊であるゴーカイジャーの答え。
そして鎧はゴーカイジャーの6人目、海賊の一員として未来を自分の手で掴むことを選び宝を破壊する。

再び地球侵攻を開始しようとしたザンギャックを前にしてゴーカイジャーがこの星を守ると宣言。
命を懸けてこの星を守るのがスーパー戦隊だろうと。宝が目当てでこの星にやって来た海賊がそこまで言えるようになった、感慨深い。
でもただ正義の心に目覚めたとか歴代戦隊を尊敬し彼らの思いを受け継いで戦うという話しでそう言ってるわけじゃないのが良い。
1話でザンギャックに喧嘩を売った時と同じように気に入らないからぶっ潰すと1話の台詞を踏襲しあくまで自分たちの感情が第一にあること。そして前述したようにこの星の価値を守りたいと思ったからスーパー戦隊を消さないことを選び未来を自分の手で掴む決意をしたからこその宣言。
この星を守って未来を掴む、今自分たちがやりたい事を叶えるための手段としてスーパー戦隊を名乗りその力を使ってる。
やりたい事をやってやるという海賊としての矜持を示しながらスーパー戦隊の一員である事も示す、いやよくこの結論に辿り着いたなと本当に感心します。
その答えを出す最後のカギが鎧の決断というのも良かった。海賊見習いだった鎧が真に海賊戦隊の一員となって海賊の矜持を身につけ尊敬する先輩たちも捨てないという答えを出せたのが良かった。
何かを捨てる事を躊躇わないバスコと何も捨てないゴーカイジャー。彼へのカウンターという意味でも今回の答えは納得だし海賊見習だった鎧の成長がその答えを完成させるのが上手い構成だなと思います。


次回ついに最終回。
スーパー戦隊の歴史の集大成となるスーパーバトル、そして夢を掴むために進み続けた海賊たちの最後の戦い。
しかと見届けさせていただきます。

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コメント

最終決戦にしてようやく全ての大いなる力が集結。当然ここに来るまで幾多の戦いを海賊達はくぐり抜けて来たのだから残りのヒーロー達から認められるのは納得ですよね。繰り返しますが、本当に皆成長したと思います。

宝を物理的に存在する物にしたのは正解でしょう。この手の物では絆や冒険を求める心になるでしょうが、あんまりそれを言われても却って実感が沸かないだろうし物体なら物理的に手にした方が達成感も違うと思います。

力の代償に関しては後に語るとしてインサーンが攻めて来ても惜しみなく大いなる力で対抗する海賊達の暴れっぷりには感服しましたね。どれだけ相手が軍を揃えてやってこようともそれにカウンターをするが如く大いなる力を使う姿は観ていて熱くなりましたよ。

なんとかインサーンを撃破してもまだまだ敵は攻めて来る訳で。ザンギャックの真に恐ろしいところはあの質より量を表す艦隊で、これまでの回でも度々それ等を相手にする場面が描かれていたし、その本気をこのタイミングで見せられたから絶望感が半端なかったですよね。

あまりの絶望に打ちひしがれて皆は宝を使おうとしてる。どの作品でもこの手の力ってそんな代償も無く上手く行く訳ではないのが憎いですよね。ここに来てバスコの何かを得るために何かを捨てるという持論が彼等に重くのしかかるのがキツイ。

でもそんな中でゴセイジャーやマジレンジャーと関わって来た人達やこれまでのゲストがやれる事をやってるのもまた泣けてくるし、彼等も成長したんだなと思います。

依存がどうとかそういうあれではないけれど、それでも彼等スーパー戦隊がいたからこそ皆が成長出来たのもまた事実。故に海賊達が正義の心に目覚めたとか歴代戦隊を尊敬してる訳ではないにせよその心をリスペクトしてるのもまた確かなんだし、その上で宝を破壊するのは本当に一つのけじめをつけたように感じました。

宝ではなくあくまで自分達の力で全てを終わらせに行くのも熱いです。今までの事を背負い、そして立ち向かう彼等の姿が本当にカッコいいと思いましたよ。

現実の僕たちもそれは同じだし………作品と作品を比較して大人向けがどうだのシリアスがどうだの学ばない残念な大人も現実にはいますが、同時に僕たちのように沢山笑わせてもらったり泣かせられたり、バトルに熱くしてもらえた視聴者も間違いなくいると思いたいし、戦隊やライダー、ポケモンの本当のファンとしてこの想いはこれからも大事にしたいです。

投稿: アルター | 2020年10月10日 (土) 03時53分

コメント返信:アルターさん

スーパー戦隊、しいてはヒーロー番組の存在意義をメタ的に表したエピソードだったなあと思っています。
ヒーローに憧れたり勇気を貰った人たちが現実の苦しみと戦っている、フィクションが現実を支えることもあるという意味にも思えて。
歴代戦隊の存在を消したくないというドラマもスーパー戦隊シリーズを作り続けてきた関係各位の思いの代弁にも感じます。
その上でゴーカイジャーが真のスーパー戦隊の一員として立ち上がる、本当よく出来た構成だなと感心します。

投稿: んがよぺ | 2020年10月11日 (日) 08時26分

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