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2020年10月 8日 (木)

ハリケンジャー感想記:最終巻

東映特撮YouTube Officialで忍風戦隊ハリケンジャーが毎週2話ずつ配信されてましたが、今週の配信でいよいよ最終回となりました。
毎週書いてきた感想記事もこれで最後になります。
本当は配信後すぐに更新したかったんだけどいろいろ考えちゃって纏まらずようやくの更新になります。

最終巻「風と水と大地」
2003年2月9日放送
監督:渡辺勝也
脚本:宮下隼一

”アレ”の向こう側から弓矢を再び射ることで全てを飲み込む穴を消滅させる。
危険な賭けだがハリケンジャーは前へ進み邪悪なる意思の妨害を受けながらも弓矢を放つ、穴は消滅し地球と宇宙は救われた。
怒りの矢と嘆きの弓も共に消えた。全てを無にする存在が生み出すための鍵になる弓矢諸共消えて無くなるのが皮肉だなと。

地球と宇宙は救われた。ええもう万事解決?
なんてことは無くここからはバトルの連続。最後だから制作陣がやりたいこと詰め込んだんだろうなと。

邪悪なる意思の声をあてるのは加藤精三さん。東映特撮で何度も悪の首領、怪人の声をやっていた大ベテラン。最後の最後にまた凄い方呼んだなあ。
実体を持たない邪悪なる意思は前回”アレ”の穴に飲まれたタウ・ザントの体を乗っ取りハリケンジャーに襲い掛かる。
それを倒されても今度は暗黒七本槍を再生させ、それが倒されてもまたタウ・ザントの体を使い、とにかくしぶとく立ちはだかる。
何度だって悪は立ちはだかる。スーパー戦隊シリーズ、強いてはヒーロー番組の宿命をメタ的に表してるのかもと思ったり。何度もヒーローに倒され続けてきた加藤さんをラスボスにキャスティングしたのもそういう意味を含んでるのかも。

 

タウ・ザントの弱点は眉間、前回サンダールがそこを突き刺していたことを覚えていたハリケンジャーはその一点に懸けてタウ・ザントを倒す。
ゼロ距離からカラクリボールを射出し怯んだところをソードスラッシャーで一突き。
44話でもバドーギ相手にゼロ距離射出やってましたね。あの時は追い詰められて咄嗟の事だったし怒りの矢に旋風神を乗っ取られる失態があったけど、今度は意識的に使いこなして勝利を掴む。
過去の失敗から学び前に進む、さり気ないことだけどハリケンジャーの良いところを表してるのが好き。

暗黒七本槍勢ぞろい。前回のOPでもさり気に全員映ってたのはこの伏線だったわけで。
7人全員の名乗りに合体技、悪役チームで戦隊パロディ、最後だからこんな遊び心も面白いです。
しかし彼らは邪悪なる意思の傀儡であって本来の彼らじゃないんだよね。
散々内輪もめしてたのに(ほとんどサンダールのせいだけど)、仲良しではないけど色んな思惑や感情があったことそれ自体を無かったことにされて7人勢ぞろいというのも空しい。
”アレ”を手に入れようとこれまで戦ってきたジャカンジャの行きつく先が、邪悪なる意思の全てを無にするという企みのために自分たちの意思や感情まで無にされるというのが哀しいなあ。

 

前回豪雷神と共に爆散したと思われてた一甲と一鍬が生きていた。
雷が2人を守った。よ~く見ると前回の爆発のシーンに一瞬黄色い稲光が走ってるんだよね。初見じゃまず気付かんよこれ。
ゴウライジャーが助かったのはご都合では?と思わんでもないが。もしかしたら霞一鬼が息子たちを守ったのかなと思ったり。
38話で稲光が一鍬を鬼雷丸の元に導いて一鬼の魂と対話したことがあった。あの時の事を踏まえると一鬼の最後の良心が再び稲光となって2人の元へやって来たのかなと。
放送当時は一鬼はろくでもない父親という認識で今もそれは大方変わらないけど、でも僅かに子を思う心もあってそれが最後の最後に2人を救ったのではないか、改めての視聴でそんな事をふと考えたので。
もちろんそれだけじゃなくて、2度と影にはならないというハリケンジャーとの誓いもあるからであって。
親という過去の絆に救われ今の仲間との誓いのために立ち上がる。
ゴウライジャーというヒーローの在り方を最終回でも見せてくれた良かったです。

俺たちは伝説の後継者。吼太と七海と鷹介の台詞が1話と同じ、こういう演出大好物です。否応なしにテンション上がる。
あの時はハリケンジャーに選ばれて調子に乗って出てきた言葉。でも今は多くの経験を積み散っていった先人たちの思いも知ってそれを背負って立つからこそ言える言葉。
同じ言葉でも込められた意味もそれを言う覚悟も違う、3人の成長が表れてて感慨深い。
その言葉が全てを無にしようとする邪悪なる意思とそのために虚しい存在となった七本槍相手に向けられてるのも良いね。
全てを無かったことにするなんて邪悪を許さない。元は落ちこぼれで失敗もしてきて、でも何度でも立ち上がり前に進んできたハリケンジャーからこそその邪悪を否定し立ち向かっていくのがカッコいい。

ハリケンジャーとゴウライジャー勢ぞろいからの素面名乗り。お約束だけどやっぱりこれがないとねえ。
声の張り方も顔つきも序盤とは貫禄が違う、キャストの成長が表れる名乗りはやっぱりスーパー戦隊シリーズの華、大好き。

 

邪悪なる意思の傀儡となった七本槍はもはや恐れるに足らず。5人の得意技を駆使して七本槍を撃破。忍術の応酬が爽快です。
からの~またまたタウ・ザントの体を使って戦いを挑んでくる邪悪なる意思、本当しぶといんだから。
そこへおぼろからの通信、さらに無限斎がハムスターから本来の姿に戻っていて2人で喜びを分かち合ってた。
その声を聞いて元気を貰いヒーローは立ち上がる。戦いの場に居なくても2人が無事だったという事実がヒーローの支えになるのが良いね。
疾風と迅雷の心を一つにして5人の影の舞、そしてビクトリーガジェットの一撃で今度こそ邪悪なる意思を倒す。
今作を代表する技である影の舞と流派を越えるという今作のテーマを体現した武器でトドメというのが良い演出。
忍術の応酬からの代表する技で締め。最後だからアクションをたくさん見せたいということなんだろうけど、これまで積み上げてきたものが全てを無にしようとする存在を打ち砕くという意味にも思えて良かったです。

 

戦いは終わり卒業式の日を迎える。忍風館の学生だったハリケンジャーもこれからは一人前の忍者として社会に潜みながら悪と戦い続ける。
1話と同じロケーション、あの時はサボって愚痴を零してた3人が今は卒業と離れ離れの寂しさに包まれてる。ああこういう演出にも弱いんだわ、泣く、好き。
ゴウライジャーも共に卒業を迎え、かつては敵対したライバルとこれからも気持ちは一つだと手を重ねる。番組序盤には考えられなかった光景が感慨深い。
と、しんみりした空気に無限斎からの喝。遅刻の罰に卒業証書を奪い取って見せろと最後の試練が。
最後の試練にも臆せず挑む忍者たち。そしてエンディングへ。

主題歌に乗せて各々が無限斎に挑む姿とそれぞれの仕事で活躍する姿が描かれる。
最終回恒例でスーツアクターの皆さんもちょろっと顔出し出演。鷹介と吼太のところは分かり易くてレッド役の福沢さんとイエロー役の竹内さんはハッキリ顔が映ってましたね。
顔がハッキリとは見えないですが一甲と一鍬が働いてる工事現場のおじさんがおそらく日下さんと今井さん
七海のライブで観客席に山本さんと福澄さんがいる。メイクしてないからフラビージョとウェンディーヌってパッと見気付かないけど。それとブルーのアクターの小野さんも。
シュリケンジャーの変装体を演じた戦隊OB大集合。ほんの一瞬しか映らないのによく集められましたね。このためだけにゲストを集めたのにビックリだし、もしかしたらシュリケンジャーが今でもどこかにいるかもしれないという余韻を持たせてくれるのも素敵。
最後だからエンディング映像も盛り盛り。しんみりしたシーンから賑やかな締めに移るのが良かった。

セイ、バイバイ。5人の別れのメッセージで今度こそ終わり。良い最終回だった。
・・・からの、宇宙忍者ファイルがまだ残ってました。
まさかの大トリが下っ端のマゲラッパ。ちなみにこのマゲラッパの中に入ってるのはプロデューサー補の宇都宮さんらしいです。
最後のおまけコーナーまでネタに事欠かないんだから忙しい番組だよ全く(褒めてます)。

 

・・・・・・・・

 

はあ~~。終わっちゃったよハリケンジャー。
何回も見ているしぶっちゃければ最終回の中身はハリケンジャーとゴウライジャーが敵を倒すという至ってシンプルな話だし書くことも少なくしようと思えば出来るんだけど。
やっぱり好きだからついいろいろ書きたくなっちゃってこの有り様で。読みづらくてごめんなさいね。

 

この番組の何が良かったってハリケンジャー・ゴウライジャー・シュリケンジャーと複数のヒーローがいたこと。
何度挫けそうになっても前に進むハリケンジャー。暗い影を抱えながらそれを乗り越えるゴウライジャー。秘密を抱えながら使命のために戦うシュリケンジャー。それぞれが戦う理由や信念があって、それがやがてこの星を守るという同じ思いで繋がって共に困難に立ち向かっていく物語が本当に良かったなと。
思いを繋いで未来へ進すんできた物語が全てを無にしようとする存在に打ち勝ち卒業という一つの区切りで締めるのが良く纏まったなあと本当に感心します。

対する暗黒七本槍。ジャカンジャの幹部たちも皆個性的なキャラクターで皆魅力的でした。
”アレ”を手に入れる目的は同じでも思惑はバラバラで終盤は内紛によって破滅へ向かって行ったのは悪役の宿命。
前述したヒーローたちの物語とは対になる存在で、最後は虚しい事になっちゃったけど彼らがいたからヒーローの活躍が映えました。

 

前作ガオレンジャーがあまりにも玩具が売れていたためにバンダイからはガオレンジャー2年目をやりたいと打診があったけど東映は固辞したんだとか。
大ヒット作の次となれば重圧もあるだろうに複数のヒーローがいるという新機軸を打ち出した挑戦が凄い。
東映の決断はもとよりバンダイもガオレンジャーから路線を変えてカラクリボールという新しい商品を開発したのもよくやったよなあ。
実際ハリケンジャーの玩具売り上げは好調だったようだし、新しい挑戦が良い結果を出したのが凄いなあと。

 

忍者ヒーローということで先輩であるカクレンジャーとの差異を考えると、やっぱり現代社会の忍者というディティールには拘って作られていたと思います。
カクレンジャーは妖怪退治の旅をする戦隊で全然存在を隠して無かったから(それが好きなんですが)、ハリケンジャーは公にはその存在を秘密にしていることを3話の時点で描いてそれを貫いたのは偉かったなあと。
最後まで素顔を明かさず使命と仲間の事で心揺れた一番忍者らしいシュリケンジャーという存在があったことも、カクレンジャー以上に忍者を描いた作品という印象が残ります。
今作でここまで忍ぶということを描いたからこそ後発のニンニンジャーは開き直ってあのキャッチフレーズになったんだなあと納得。

この度の配信と同時期にゴーカイジャーとライブマンも並行して見られたのが良かった。
ゴーカイジャーには成長したハリケンジャーが客演して嬉しかったし、ライブマンとは色々と通じる点を見つけられてまた新しい発見があって興味深かった。
ライブマンのメイン監督を務めた長石さんはハリケンジャーのメイン監督の渡辺さんの師匠だし、渡辺さんはライブマンを意識するところもあってハリケンジャーを撮っていたんじゃないかなとか色々考えて。

 

・・・・・・・・

 

ああもっと言いたい事が、参加した脚本家や演出家ごとに好きなエピソードを語ったりライブマンとの関連とかいろいろ思う事あるんだけど全然纏まらないのでこの辺で。
個人的なことですがスーパー戦隊シリーズのリアルタイム視聴を本格的に再開したのがこのハリケンジャーなんです。
ギンガマンで一旦戦隊を離れてゴーゴーファイブとタイムレンジャーは未見、前作ガオレンジャーの途中から視聴を再開するようになって、1話からまたちゃんと見るようになったのがハリケンジャーでした。
それから次作アバレンジャーも当然視聴を継続しそれから現在までスーパー戦隊シリーズは欠かさず見ています。
自分にとって一つの転機だったハリケンジャー、ついいろいろ書いちゃうのもその思い入れ故です。
YouTubeの配信は今回で3度目でニコニコ動画でも1度配信されたことがあるから、リアルタイムと合わせるとハリケンジャーの視聴は5周もしていることになる。それでも飽きないんだなあ。

やっぱり好きだから。
大好きな作品をまた見ることができてこうして色んな思いを書き残すことができて本当に楽しかったです。
半年に及ぶ視聴と感想記事もこれにて終了。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

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コメント

やっぱり最終決戦はどの戦隊でも熱いですよね。上手く言えなくてすいませんが………怒りの矢と嘆きの弓の有効活用、霞兄弟が生きていた、七本槍の全員集合等最終回だからこそのてんこ盛り要素が多くて贅沢な回でしたよね。

霞兄弟が生きていたのはご都合かもだけど、それでも何かあって稲光が守ってくれたと思うとジワジワ来たし、なんだかんだ彼等が生きていて良かったです。同時にこの二人が生きていたのとシュリケンジャーの変装相手が集まってる場面観てもしかしたらシュリケンジャーも生きているのではと思ったんですよ。

ハリケンジャーの面々も本当に成長して……全ての戦隊に言えてますが、最初は未熟でも皆戦いの中で答えを探し求めて笑いあり涙ありの経験しながら答えを手にする訳だし、最後の卒業試験後でそれぞれの道を歩む姿は本当に素晴らしかったですよね。

最終回という回なのにこんな淡泊になって失礼。でも改めて当時を振り返れて良かったです。

最後に気にしてる事なんですが………ニンニンジャーについて。正直言うとネットの叩き気にするなと言われてもどうしても気にしてしまうんですよ。やれ昔のは大人向けだっただの滑舌がどうだのサン&ムーンの評判よろしく自分は本当に楽しめるのかという気持ちあってね。ベストウイッシュのトラウマもあってニンニンジャー観て楽しめなかった時に叩いてる人達と同類になるのイヤで……

結局のところポケモンにしろ戦隊、ライダーにしろ子供だけ楽しませて大人を楽しませないのはダメなんでしょうか?僕としては大人向けがどうとか言ってる人がしっかりした大人に思えなくて、寧ろ子供達の手本になってこそ大人だと思うんですよね。

んがよぺさんの場合は子供が目の前の作品楽しんでいても自分が面白くなかった場合どうしてます?

でもあくまで子供番組は大切な事を教える最初の娯楽であってほしいし、寧ろ子供向けというのは素晴らしい事だと思うんですよ。ニンニンジャーも普通に大人が観ても楽しめますよね?なんであれ楽しめなかったとしても悪口を言うなんて事は絶対にしたくないし、特撮に限らずそれは通したいです。

同じ事書きますが、ハリケンジャーやゴウライジャーは色々悩みながらも自分達の信じた道を進んで答えに辿り着けたのだし、今回の配信で初めてハリケンジャーを観た人達にもその頑張りは伝わったと思いたいです。なんであれんがよぺさんと語りながら当時振り返れて良かったです。ありがとうございます。ニンニンジャーもいつかはちゃんと観てみたいです。その前にトッキュウジャーを観る必要ありますけどね。

投稿: アルター | 2020年10月 8日 (木) 20時58分

コメント返信:アルターさん

詰込みテンコ盛りの最終回で息つく間もありませんでした。
忙しい展開でしたが1話を踏襲した台詞はやっぱり熱かったしメインの3人の成長が一番嬉しかったです。
ライバルであるゴウライジャーと共に卒業式、シュリケンジャーの存在を匂わせる余韻、ハリケンジャーと共に戦った仲間の存在も大事に描いてくれて良き最終回でした。


子供番組は子供が楽しんでるならそれでよいんですよ。自分がイマイチに思ったって子供が楽しんでるならそれで良しと考えてます。
自虐を込めて言いますが大人が文句をギャーギャー言ったってどうってことは無いんですよ。子供の心に響くものさえあれば。

投稿: んがよぺ | 2020年10月11日 (日) 08時25分

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