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2020年7月24日 (金)

ハリケンジャー感想記:29話と30話

東映特撮YouTube Officialで忍風戦隊ハリケンジャーが毎週2話ずつ配信中。
今週分の感想になります。

巻之二十九「残暑とスタンプ」
2002年9月8日放送
監督:渡辺勝也
脚本:吉田伸

サタラクラに頼まれて残暑見舞いのハガキを書いてる暗黒七本槍の仲間たち。
悪の組織がハガキを書いてるって変な光景、何だかんだ仲良いよね彼ら。
残暑忍者ベロ・タンが人々を切手に変えてしまい、その切手でサタラクラの残暑見舞いを宇宙にバラまくという作戦。
絵面は変なんだけど、人を無機物に変えてしまって何かに利用するという外道な作戦は相変わらず。
今回登場する新しいカラクリボールがスタンプだから、それに合わせて切手という発想になったんでしょうね。
スタンプで消印有効の印を押して作戦を瓦解させるという絵が面白い。
脚本の吉田さん今作初参加にして販促のオーダーに応えつつサタラクラの外道を描けてるのが見事です。

カレー作りからまさかの事態に発展。
隠し味で鷹介と七海が揉めてカレーが滅茶苦茶に。そこへ吼太が味を調えるために皆に指示を出したことで上手く纏まり美味しいカレーが出来上がった。
カレーとイエローといえばゴレンジャーのキレンジャー、さり気なく先人へのリスペクトにニヤリ。
吼太の鍋捌きを見て無限斎が吼太をハリケンジャーのリーダーに任命、厳しくなる戦いを乗り切るためにリーダーが必要と考えての事だったが・・・。
この判断は無限斎のミスでしょう。3人の絆と伸びしろを信じてハリケンジャーを託したのに、今更リーダーを立てて序列を作るのは3人のバランスを崩すだけ。
案の定リーダーの座を巡って鷹介と吼太がつまらない喧嘩を始めて。おぼろは2人が対抗意識を持つことで互いに技を極めることを狙ったんだと思い込み、無限斎もその評価に便乗してその通りだと口を合わせたけど調子が良い事よ。
24話でシュリケンジャーが御前様だと思い込んでたりちょっと抜けてる時もあったし誰にだってミスはあるものだけど。
今回の判断は無限斎の一番のミスだったんじゃないかなと思います。

リーダーの座を巡って言い争う鷹介と吼太の衝突でベロ・タンを取り逃がし、その体たらくを見てたゴウライジャーは失意の眼差し。
前回影からハリケンジャーを支えると改めて決意したばかりでこの有り様じゃ落胆もするよ。
言葉は辛辣だけど彼ららしく無いことを分かってるからこそ言える。信頼あってこそそれを裏切ってくれるなよと思ってるんでしょう。

特訓中の鷹介のもとに吼太が、吼太のもとには鷹介がそれぞれ現れて奥義を習得してみろと巻物を渡して挑発する態度を見せる。
これは一計を案じたシュリケンジャーの変装。奥義を習得させることで2人の仲を取り持とうという考えだった。
ベロ・タンとの再戦でまた衝突した2人に厳しい言葉をかけて、それをきっかけに2人は奥義の真の形を完成させベロ・タンを倒すことが出来た。
奥義を完成させることで2人のチームワークを復活させる、変装の名手であり影から支える役目のシュリケンジャーらしい立ち回りが見事でした。

七海を助けるために意地を張るのをやめて正直な思いを打ち明け協力することを選んだ鷹介と吼太。
シュリケンジャーは奥義が合体技であることに気付いたものだと思ったのに、2人はそうとは知らずに思い付きで2つの技を合わせてしまったというのだから彼ららしいというか。
でもそれで良いんだよ。きっかけさえあれば自分たちで活路を見出し前に進んでいける、仲間を思って力を発揮できるのがハリケンジャーの良いところ。


スーパー戦隊はレッドがリーダーというお約束がかつてはあったけど、カクレンジャーではホワイトがリーダー(且つシリーズ初の女性リーダー)だったりリーダーを決めてないダイレンジャーがいたり。商売上の都合番組の顔となるのはどの戦隊もレッドだけど、実際の劇中の活躍としては必ずしもレッドが中心で皆を引っ張るというわけでもない戦隊の前例があったんですよね。
じゃあハリケンジャーはどうなの?とメスを入れたのが今回というわけで。
やっぱり鷹介がリーダーということには落ち着いたけど、誰がリーダーと意識しなくても自然に協力し合えるのがハリケンジャーなわけで、リーダーと言っても形式的なものでしかない、それがこのチームの在り方なんだと思いました。


巻之三十「アイドルと友情」
2002年9月15日放送
監督:渡辺勝也
脚本:荒川稔久

いつもジャカンジャの作戦に採点をしているフラビージョ。度重なる失敗に苦言を呈すが、じゃあ当人はどうなのということで今回はフラビージョが出撃・・・ではなくて、サーガインに作らせたクグツ忍・フラビジェンヌが行動開始。
フラビージョの3倍の力を持つというのはハッタリではなく、ゴウライジャーもシュリケンジャーも圧倒する力を見せ、さらに他の七本槍のご機嫌を取ってフラビージョに取って代わろうという野心も3倍というとんでもない奴が生まれてしまった。
でもこれはオーダー通りの物を作ったサーガインの方が凄いのでは。また超技術発揮してるよこの人。

センチピードに居られなくなったフラビージョは七海に接触。自分の分身に立場を追いやられた情けなさを打ち明け七海の心を揺さぶる。
ちょうどその場に居合わせたマネージャーの閃きで2人でアイドルユニットを組むという流れに、何で?
七海が落ちぶれたフラビージョに同情し信用していくという流れは分かるけど、アイドル活動である必然性は無いので、これは渡辺さんと荒川さんの趣向によるところが大きいんだろうな。
ヒロインを可愛く撮りたい渡辺さんとアイドル好きな荒川さん、2人の趣向のベストマッチ、ダイレンジャー33話もこの座組だったからなあ。


フラビージョが元は宇宙忍者の落ちこぼれでグレていた自分をタウ・ザントが見初めてジャカンジャに入ったんだと身の上を話し、同じく忍風館で落ちこぼれだった七海は共感を覚える。
歌で皆を幸せにする、そうやってジャカンジャを見返してやろうと七海はフラビージョとの友情を信じ切っている。
成り行きで演歌歌手になっちゃった七海だけど地道な活動でファンは少しずつ増えていたし、歌が人を支える力になることは身を持って知っているはず。
そこへ同じく落ちこぼれだったというフラビージョの事情を知ったとなれば、一緒に頑張っていけると思うのも当然の心情。
フラビージョを励ましデビューの前夜に明日を心待ちにしてる様子が本当に嬉しそうで。でも眩しいその笑顔がこの後の展開を思うと辛すぎる。

フラビージョはフラビジェンヌを制御する装置を おぼろに作らせて夜中にそれを持ち出した。
フラビジェンヌを一人で倒すつもり・・・かと思われたが、強力な配下を得てハリケンジャーに牙を向いた。
七海とのアイドル活動は懐に潜り込むための芝居だったと明かし、2人が映ってるポスターを破り捨てるのが残酷。
誰かが苦しむのが一番楽しい、笑いながらそう話しているのもゾッとします。
同じ落ちこぼれでもフラビージョは悪の道を選んだ、七海と同じ道を進むことは無いことをまざまざと見せつけているのが辛いです。

真実を知った七海は怒りの力でマゲラッパたちを切り捨てフラビジェンヌをも倒す。
ここの立ち回りがカッコ良くて、七海役の長澤さんが良く動けているし成長を感じるところ。
和装で小刀を振るう殺陣はまた監督の趣味入ってるんでしょうけど、悲しみを怒りに変える七海の姿が良い絵になってました。


破られたポスターを見つめ、空を仰いで涙を零す七海。
怒りでフラビジェンヌを倒したもののやはり悲しみは拭えず、無言なのが却って彼女の悲しみの深さを表してるように思います。
真実を知って真っ先にフラビージョに怒りの言葉をぶつけたのは鷹介と吼太、七海の思いを彼らも信じてくれてたことがうかがえます。
七海はもちろん落ちこぼれ同士鷹介と吼太もフラビージョの再起に懸けたい思いもあったんだろうなと。
裏切りは忍者もののお約束だし、仲良くなれたと思った怪人が実は・・・というのも戦隊シリーズのお約束。
とは言ってもやっぱり裏切られる悲しみは辛い。落ちこぼれから這い上がってきた七海に共感を抱かせた上で決して相容れない悪の心を見せつけるのは、何度見ても残酷な光景でした。
監督と脚本の趣味が入ってると前述しましたが、心の痛みを真剣に描いているところはベテランの手腕だなと感心するのです。

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コメント

人々を切手に変えて、残暑見舞いを宇宙にバラまくとかなんか凄くカーレンジャーにあってもおかしくない作戦に思えますね。リーダー決めは結果はどうあれハリケンジャーのチームとしての在り方に触れたのはタイミングとして良かったと思います。カクレンジャーも含めて大体その辺りから必ずしもレッドがリーダーとは限らない戦隊は多数出ましたし、それらの理由もその作品ならではの味が出てるのは面白いですね。

フラビージョが数話ぶりに前線に出ましたけど、そういえばこの回で敵のメンバーが何気にヒーローの本拠地に入ったので結構危ないなと思いました。アイドルの件はやる必要あるかはともかく、なんか本気で特訓してるので観てた時は改心するんでは?と思いつつでも組織での役割もあるからどうなるんだろうと思ってたら話の終盤で七海と映ってるポスターを破り捨てるのが悲し過ぎて・・・目的も含めて完全に判り合えない事が感じられたのもまた悲しかったし、それに対する七海の猛攻も長澤奈央さんの動きが相まって彼女の悲しみがバンバン伝わってきました。

投稿: アルター | 2020年7月24日 (金) 12時40分

コメント返信:アルターさん

カーレンジャーだったらボーゾック一のハガキ職人なんて出てきたんだろうなと思います。
やってる事は変でも技術は一流の奴らが揃ってる集団ですから彼らって。

フラビージョの基地潜入は大ピンチでしたが、最後に場所を忘れてるオチがついたのは面白かったです。
彼女が元は落ちこぼれという話しが本当だったという表われにもなるしこれは脚本の巧さですね。
でも七海と一緒に頑張るのは嘘だったという。本気の改心に見えて一番大事なところは裏切っていたというのがまた悲しい。
ラストは長澤さんの演技もあって悲しみがこれでもかと伝わる名シーンでした。

投稿: んがよぺ | 2020年7月25日 (土) 18時46分

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