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2020年7月29日 (水)

ゴーカイジャー感想記:29話と30話


毎週日曜日に東映特撮YouTube Officialで海賊戦隊ゴーカイジャーが配信中。
今週分の感想です。

第29話「アバレ七変化で新合体」
2011年9月11日放送
監督:渡辺勝也
脚本:荒川稔久

ワルズ・ギルが風邪を引いた。え、馬鹿は風邪ひかないんじゃ・・・ああ地球の風にやられたって言ってたわ。地球のウイルスには耐性ないもんね、納得。
インサーンにも風邪がうつってダマラスは騒がしさにガックリ肩を落とす、騒がしい王子に振り回されてお疲れ様です。ちょっと同情する。
ワルズ・ギルの風邪を治すためにダイヤールが出撃し地球人の幸せのエナジーを奪う。地球の風邪だから地球人から治療法を見つけるってことね。侵略作戦ではなく風邪を治すためだけの出撃だけど筋は通ってるのが良いね。

結婚式場を襲ったダイヤールと戦うゴーカイジャー。
早速巨大戦開幕かと思ったら、自在に大きさを変えられるダイヤールがロボの内部に侵入し大暴れ。
豪獣神を乗っ取り今度はゴーカイーオーのコックピットへ・・・と思ったら狭い場所でも容赦なくマーベラスもジョーも銃をぶっ放し滅茶苦茶な状況に。
ダイヤールの追い出しには成功したがおかげで船内は滅茶苦茶で修理に時間がかかることに、ハカセが怒るのも当然。
未遂に終わったけどルカのスーツにダイヤールが侵入したら手を突っ込んで引きずり出そうとしたり、アイムが機転を利かせて虫よけスプレーで追い出したり、船内での攻防がハチャメチャで楽しかったです。
これでも十分な暴れっぷりですが、今回の本題はここから。

ダイヤールを誘き出すためアイムが鎧と偽装結婚式を執り行う。
まんまと引っかかったダイヤールに花嫁姿で銃を向けるアイム、もうここだけで可愛さとカッコ良さを併せた良い絵なんですが。
ここからアイムの変幻自在の立ち回り。女子高生、ナース、警察官、可憐な姿に次々変わってダイヤールの油断を誘い杖を奪う。
アイム役の小池さんの可愛さを前面に出したいという脚本と演出の強い意志を感じます。
先週同チャンネルで配信されたハリケンジャー30話と同じ座組、渡辺さんも荒川さんも本当にヒロイン好きよね。良いもの見させてもらいました。


アイムの暴れっぷりを見守っていたのは爆竜戦隊アバレンジャーのアバレーブルー/三条幸人とアバレンジャーの仲間の三条笑里。
18話の壬琴に続きまたアバレンジャーよりゲスト登場。既にアバレンジャーの大いなる力を手に入れてるのに改めてアバレンジャーのゲストが出てきたのは放送当時驚きましたよ。
幸人と笑里が結婚しているのも驚いた。本家アバレンジャーでほんのりフラグはあったんですけどね。
さらに衝撃、いや笑劇だったのは笑里の妄想ヒーロー・アバレピンクの復活。まさか勝手にレンジャーキーを作ってアイムに変身させるなんて。本家と同じく自作の衣装なのでちゃちな作りなのが笑っちゃう
正式なメンバーではない、自作の妄想ヒーローをレンジャーキーと絡めて再登場させるなんて斜め上の発想に脱帽です。
その後の5人の活躍、アバレンジャーの技と武器をたっぷり魅せるアクションがめっちゃカッコ良い。
しかしまあアバレピンクの笑劇に持っていかれますわ。ズルい。

アバレンジャーの大いなる力のもう一つの使い方、ゴーカイオーと豪獣神が合体し豪獣ゴーカイオーが完成。
凄くカッコ良いんですけど出番これっきりなのがもったいない。

アイムの七変化をしっかり写真に収めていた鎧。
ダイヤールを倒すためにはっちゃけていたものの、改めて自分の七変化を振り返るとアイムは恥ずかしかったようで、そりゃそうだわ。
やる時はやる豪快さ、そのはっちゃけぶりがマーベラスは気に入って仲間にしたんだと鎧は解釈したが。
アイムが仲間と認められた本当の理由は後の話で描かれることに。改めて見るとマーベラスがはっきり理由を語らなかったのは後の話への伏線になってたんだなと気付く。
大アバレしつつも海賊戦隊のドラマも静かに動いているのがお見事です。


第30話「友の魂だけでも」
2011年9月18日放送
監督:渡辺勝也
脚本:香村純子

ホップステップラブジャンプ、スケボーに乗ったライオン、ナビィの予知が意味不明なワードに聞こえるが、これは超獣戦隊ライブマンを指している。
のっけからネタを仕込み、しかもそのワードを拾うのかと驚く。香村さんライブマン大好きなので最初から飛ばしてますねえ。
鎧にかかれば謎ワードもライブマンのことだと即答えが分かる。でもライブマンがとこに居るかは知らないからいつも通り探すしかないし、そもそも知ってたら真っ先に皆を案内してるとボヤキ。この理屈の組み方がさすが香村さんだなと思います。


アイムとペアでライブマンを探して街へ出たジョーがある男と出会う。大原丈、彼こそライブマンのイエローライオンなのだがまだその事には気づいていない。
ザンギャックに襲われたボクシング選手を助けたジョー。丈もその身一つでゴーミンと戦う。変身できなくてもヒーローなんだと表れててカッコいいし、ジョーが素性を知らなくても丈を信頼するに十分な行動になってるのが良いね。
敵の狙いは人間を改造しバリゾーグを量産する事。ザイエンが落としていった端末から丈がその狙いを読み取り、ジョーは科学者である丈に一縷の望みを託す。
必死なジョーの姿にアイムはバリゾーグが大切な人であると察し、それは仲間たちにも伝わる。
4話でジョーが何かを抱えてる事を知りながらも深入りはしないと描かれて、ついに今回その秘密を知ることになって。
秘密を知ったからこそそっとジョーを支える。敵のアジトを探るのは引き受けてザイエンとの決着はジョーに任せる。
ジョーのやりたいようにやらせるために出来る事をする、その距離感が海賊戦隊の絆、素敵です。


バリゾーグに改造された者を元に戻すことは出来ない。丈が出した残酷な答えにジョーは愕然とする。
シドを取り戻せるかもしれない、僅かでもその望みにすがろうとした自分を卑下するジョー。だがそう思うのが当たり前だと丈は叫ぶ、それは丈にも覚えがある気持ちだから。
ライブマンは人間を裏切り悪魔に魂を売った学友と戦う宿命を背負った戦隊でした。
悪に堕ちた友が人間に戻れると最初に信じようとしたのが丈で、その思いを最初に裏切られたのも丈でした。
そんな彼がかつての学び舎に戻り若者を導く立場にいる。若者たちが道を間違えないように、かつての悲劇を繰り返さないために今も戦っている。そうすることがかつて救えなかった友への弔い、そうすれば友の魂だけでも救えるのではないかと。
放送当時はライブマンを知らなかったので一連のシーンにピンと来なかったんですが、ライブマンの戦いを知った今となっては涙無しには見れません。
しかもちょうど同チャンネルでライブマンも配信中で並行して再視聴してるので、丈の思いの籠った語りが尚更響きます。

人間に戻れなくてもせめて魂だけは救う。丈から教えられた思いを胸にジョーは再び戦場へ。別れ際に丈がライブマンだと察したけど、ジョーの質問にハッキリそうだとは答えないのが良い演出。
そしてバリゾーグを生み出した張本人、悪の科学者であるザイエンをシドから教わった技で斬る。
友の魂を救い同じ悲劇を繰り返さない。諸悪の根源を倒し改めてジョーはバリゾーグと向き合うことを誓う。
先輩戦士の思いと現行ヒーローのドラマを絡めたこの盛り上がり、素晴らしいです。

「ジョー」と「丈」、名前の読み方が同じというところから2人の接点を作り、ライブマンが抱えてた悲劇性とジョーのドラマを絡めて2度と悲劇を繰り返させないという決意への流れ、改めて見ても本当見事なコラボです。
香村さんは歴代戦隊でライブマンが特に好きだと公言されてて今回の脚本を書けたことも相当嬉しかったらしく。
冒頭からライブマンネタを遠慮なく仕込んでるあたり気合入ってたんだなとうかがえます。

ライブマンで若者たちの青春を弄んだ諸悪の根源・大教授ビアス。そのビアスを演じた中田譲治さんが今回のザイエンの声をやっているというのもニクイ采配。
ロボ戦ではスーパーライブロボが登場し止めを刺したのがハリケンゴーカイオーというのもニヤリ。
ライブマンとハリケンジャーは3人チームで始まりモチーフになった動物も同じという共通項があるからこの2つの戦隊の力が一緒に見られて嬉しい。
今回の演出をしてる渡辺さんはライブマンでは助監督で、ハリケンジャーは渡辺さんが始めてメイン監督を務めた戦隊。
渡辺さんにとって思い入れのある2つの戦隊の力が登場していること、今は監督してライブマンを撮っていることも感慨深い。
ジョーと丈のドラマの絡みも出演者や演出の面でも、色んな文脈でライブマンとのコラボが見事に纏まったレジェンド回でも屈指の出来だったと思います。


3・4話以来の渡辺組。2話続けてレジェンド客演の豪華な組みとなりました。
29話のはっちゃけぶりから30話の重厚なドラマへのテンションの切り替え。レジェンド客演でもこうもカラーが違うのが面白い。
このカラーの違いを演出した渡辺監督の手腕に脱帽です。

30話は前述したように香村さんの気合がうかがえましたが、29話も荒川さん書いてて楽しかっただろうなと想像する。
荒川さんが初めてメインを務めた戦隊がアバレンジャーだったので、結ばれた幸人と笑里を描きさらにアバレピンクまで登場させたのは思い入れの強さ故なんだろうと思いました。

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コメント

またまたコミカルとシリアスの振れ幅が激しくなってますね。僕としても以前アバレンジャーの力もらっているからもう出番無いかなと思ってただけに幸人と笑里の結婚というネタを持って来てこの話をやったのは驚きました。しかも妄想の中だけのアバレピンクというわかる人はわかるネタまで持ってきて。あの時は笑里が名前を噛んでアバレピッグとか言うから豚になったので笑いましたよ。

以前はキラーのシリアスな部分でこの戦隊を語りましたが、ギャグの面で語っても色々出てくるんですよね。行動隊長が結婚式を襲う件でアバレンジャー本編でも花嫁的な人さらって邪命体を…………する回とかあったの思い出したのですが、なんというかアバレンジャーはマッシュルームとか頭に花とか好き嫌いの占いとか結構凄まじい物があったように思うんですよね。でも同時に各レギュラーキャラも重い物背負っていたし………特に先程の花嫁の件でアバレブラックのアスカがトラウマ抉られていましたが、それでもなんとか乗り越えて一人でトリノイドを撃破するなどギャグの強烈さ相応にシリアスも一級だったのが印象的でした。8話でギガノイドを等身大のまま倒してしまうのもアスカのその時の怒りが上手く表現出来ていて良かったです。

そんでもってアイムの七変化。これも色んな戦隊でやってますが、こういうのもアバレンジャー本編に記憶正しければあったようなそのようにして敵を翻弄して勝ってしまうのも爽快ですね。大いなる力もアバレンオーの特徴だったドリルを装備した豪獣ゴーカイオー。こんな感じに本家を思わせる合体があるのもいいです。

一方のライブマン回ですが、こちらは前にも言ったようにファイブマン以前を全く観ていない為何も言えませんが、「友よ、君たちは何故、悪魔に魂を売った?」のキャッチコピーよろしくヒーローの友人が敵の幹部として襲い掛かって来るほど辛い戦いだったらしいし…………しかも戦いの中で殆どが酷い死に方をしてもいたらしいので丈の語り口は並々ならぬ物がありましたね。厳密には一人助かったそうだけど、その人もえらい事なってたから完全に救えたと言い切れなかったのでしょう。そんな彼がバリゾークを調べたら二度と戻れないという残酷な事実が。僕はなんとなく助からないまま退場すると当時思ってたのですが、少しは希望を抱いていたので事実は相当打ちのめされた気分でした。

当然ジョーは絶望する訳ですが、丈に自分も彼らを救いたかったと論され、その時に語った内容もやっぱり当事者だけあってライブマンを観ていなかった僕でも説得力を感じて響きました。そうして魂だけでも救うと決めたジョーが凄くカッコよかったです。

今回の敵のザイエンの声をやったのはライブマン本編でラスボスを努めたらしい中田譲治さんでしたね。彼もこの件で声優だけでなくかつて俳優をやってた事を知った際は驚きました。戦隊ではその後もジュウオウジャーやリュウソウジャーで幹部を演じたそうですが、アニメとかでもラスボス的存在をやってる事が多い上、豪快なパワーファイターから頭の切れる智将等幅広く演じている為いつかは戦隊でも声優としてラスボスを演じてほしいと思っているんですよね。

そうしてレジェンド回の中でアイムとジョーの掘り下げをするなど現行のヒーローの事も大事にする。ヒーローになりたかった笑里や友を救いたかった丈を上手く絡めたドラマがお見事でした。

投稿: アルター | 2020年7月29日 (水) 23時16分

コメント返信:アルターさん

アバレンジャーは社会風刺の毒があったり物語の根幹となるところがかなりシリアスで、それをはっちゃけたキャラクターやヘンテコな敵の作戦でオブラートに包んでる独特の味がある作品です。
順当にいけばハリケンジャーの後に配信されるはずなので今一度ご覧になってはいかがでしょうか。
今回の話は毒気とシリアスのところではなくはっちゃけるところを拾いまさかのアバレピンクの復活でコミカルに振りきった形ですね。

アバレンジャー回と差別化しライブマン回はシリアスに振り切った映像になってました。
ライブマンは学歴社会への警鐘を込めた作品で、悪落ちした学友も一人だけ助かった仲間も自分こそが天才だと囃し立てられて青春を犠牲にした悲しい末路でした。
その末路を知ってる丈の切実な願いには心揺さぶられるしジョーに道を示す役目になっているのも納得の采配です。

投稿: んがよぺ | 2020年8月 1日 (土) 11時03分

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