« 新ポケットモンスター第29話感想 | トップページ | ハリケンジャー感想記:29話と30話 »

2020年7月24日 (金)

ゴーカイジャー感想記:27話と28話

毎週日曜日に東映特撮YouTube Officialで海賊戦隊ゴーカイジャーが配信中。
今週分の感想です。

第27話「いつもより豪快なチェンジ」
2011年8月28日放送
監督:中澤祥次郎
脚本:香村純子

戦隊あるあるの入れ替わり回が今作でも。
買い物中にザンギャックに出くわしたルカとハカセがレガエルの作戦を阻止した・・・かと思ったら奴の能力で入れ替わってしまった。
入れ替わってる事に気付かずいつものノリで剣と銃を扱ったら全然レガエルに当たってないという絵にまず笑ってしまい。
そして変身を解いてからようやく入れ替わりに気づいて驚く一同。入れ替わっちゃった~と2人が叫んでからちょっと間を置いてから驚くのがまたおかしくて。

レガエルを見つけないと元に戻れないのにルカは入れ替わった体のままで街へ出て遊ぶ。
成り行きでハカセも付いて行くがまたルカの買い物の荷物持ち。体が変わっても2人の関係はそのまんまなのが面白い。
ルカはナンパされてる女学生を助けてモテモテで、ハカセは恐い男2人に追いかけまわされるという事態に。
女学生も男もまさか中身が入れ替わってるなんて思ってないから変な事が起きてるのが面白い。
追いかけてきた男2人はルカの鑑定眼を買って彼女を宝石店で雇いたいと頭を下げに来たという、強面からは想像もつかない真相には笑っちゃった。
絡まれてる女性を助けたり宝石店にヘッドハンティングされそうになったり、何だかんだルカが地球の生活に馴染み人を助け感謝されてるんだとうかがえたのも良かったです。

ハカセはルカがヤバい事に首を突っ込んだのかと思って必死で逃げて、逃走中も万が一ルカの体を傷つけてはいけないと思い余裕で逃げられるはずだったのに立ち止まった。
ルカは自分の体の変なところ触ったら罰金だと冗談めかして言ってたけど、ハカセは真面目にルカの体を気遣っていたわけで。
入れ替わりのドタバタでつい笑っちゃう絵が続いていたけど仲間の事を大切に思う心が根底にはあって、奔放に楽しんでたルカはそれを反省しハカセに感謝の言葉を言うのが良かった。

レガエルを倒して元に戻ったハカセはルカが助けた女学生とお茶しようとするが、本来のハカセの姿に幻滅されてしまう。全く会話が弾まない空気がいたたまれない。
こんな情けない光景だけどルカはハカセのカッコいいところを知ってると言う。
ハカセは仲間を思って自然に行動できる、無理にカッコつけようとしなくても誰かのために優しくできるのが良いところで、入れ替わりを通してルカがそれを改めて認めてくれたのが良かった。

名乗りとアクションでも入れ替わり。
ルカがゴーカイグリーンの姿でイエローと名乗ってしまってグダグダ。
からの~仕切り直しで、入れ替わったままでもルカとハカセが連携を取ってレガエルを圧倒。
ゴーカイイエローがハカセのトリッキーな動きをしてゴーカイグリーンがルカの華麗な剣捌きで戦う。
入れ替わりで互いの事を知ったからこそ戦いでも息を合わせられる、入れ替わりのドタバタを心の交流とアクションシーンの盛り上げに昇華してるのがお見事です。


ルカ役の市道さんとハカセ役の清水さんの演技力に脱帽。
互いの普段の役をよく理解し、中身がハカセだからヘタレに見えるルカ、中身がルカだからカッコよく見えるハカセを見事演じていたのが素晴らしいの一言。
スーツアクターの蜂須賀さんと竹内さんにも称賛の言葉を。
イエロー役の蜂須賀さんがグリーン役の竹内さんの動きを、グリーン役の竹内さんがイエロー役の蜂須賀さんの動きを、互いの動きの癖をトレースして中身が入れ替わってるイエローとグリーンを表現しているというとんでもない事をやってのけています。
番組は折り返しに入ってて、ここまで来ると動きの癖が染みついてて別のキャラを演じるなんて大変な事なのに。蜂須賀さんも竹内さんも凄すぎます。
変身前も変身後も演者さんの力が存分に発揮された回でした。


余談。
入れ替わったルカとハカセが街に降りてから女学生を助ける辺りまでのシーン。
周囲の広告やら店の名前に小ネタがちらり。
シズカ、ファラキャット、ガラ、フラビー、シェリンダ、キリカ、他にもまだあるかも。
スタッフの遊び心にニヤリ。彼女たちもスーパー戦隊を彩った名キャラクターだもんね。

中身がハカセのルカを追いかけてくる男はオーレッドとオーグリーンのスーツアクトをしてた横山さんに武智さん。
さらに宝石店の名前が「新堀」。レジェンドアクターの新堀和男さんから名前をとってるよね。
スーツアクターの小ネタも嬉しい回でした。


第28話「翼は永遠に」
2011年9月4日放送
監督:中澤祥次郎
脚本:井上敏樹

バーで女性とポーカーで賭けをして酒を飲む男の姿。賭けに勝った男はここの酒は不味いとボヤく。
のっけから渋い空気で驚きます。子供番組で飲酒シーンはやり辛いはずなのによく出来たなと。
主役であるゴーカイジャーも敵のザンギャックも映らずにまずこの場面から始まってOPへという構成も大胆だなと思います。

ゴーカイジャーの前に現れたのは宇宙一の賞金稼ぎのキアイドー。宇宙一と呼ばれるのは伊達ではなく、ゴーカイチェンジを駆使して戦ってもまるで歯が立たない。
何よりかつて奴に負けたマーベラスがすっかり怖気づいてて十分に力を出せていない。
退屈だから戦う、もっと楽しくするためにわざと自分の体を傷つけ弱点を作りここを狙ってみろと迫る、こんなヤバい奴に負けたんだから怖くなって当然。
ザンギャックの艦隊に訪れると彼らにまで戦いを吹っ掛けそうな緊張感を漂わせ、戦いと快楽のためなら手段は問わない狂人ぶりがうかがえます。
マーベラスの心を揺さぶる悪役が必要とはいえここまでヤバいキャラを設定して、しかも今回限りの登場というのがまた豪快な。
1回限りのゲストにしては勿体ないくらい強烈な悪でした。

かつてキアイドーに負けた事をマーベラスは口にしてないけどジョーは察している様子。
ナビィの予知がジェットマンの力なら奴に勝てると示唆したものだから、それにすがるようなマーベラスの態度も違和感を抱いたことでしょう。
自分が欲しいものはこの手で掴むマーベラスが他者の力にすがるなんてらしくない、けどそれを本人には言わず彼が吹っ切れるのを傍で見守る距離感が良い。
情けないマーベラスの姿は見たくないだろうけど立ち上がってくれるという信頼もあるからあえて何も言わないんだろうとうかがえる。

ジェットマンを探すゴーカイジャーの前に冒頭の男が現れ引っ掻き回す。
その男こそジェットマンの一人、ブラックコンドルの結城凱だった。
彼はジェットマンを探すなと忠告。その真意は戦いから離れて普通の生活をしているかつての仲間を守るためだった。
凱は既にこの世を去っているが 死しても尚仲間のために戦っている。
彼の墓前の供え物、仲間たちが凱を今でも思ってる事がうかがえるし、時を経てもジェットマンの絆は健在なのが熱い。
戦士として訓練を受けたのはレッドただ一人で、他の4人は戦いとは無縁の素人で各々が好きなように生きていたいという、最初はバラバラのチームだったのがジェットマン。
中でも凱がヒーローとしてではなく一個人のしての感情を一番に優先する男だったのに、でも実は一番仲間思いだったのも彼だったんだよね。
そんな凱が死んでも尚仲間のために戦ってるなんて泣けるじゃないの。

死をも超えて仲間を思う凱の姿を見てマーベラスは恐怖を振り切りキアイドーにリベンジを果たす。マーベラスが吹っ切れた事を察してジョーが笑ってるのが良いな。
マーベラスが吹っ切れた事を見届け青空を仰ぎ、あの空を今度はお前たちが守る番だと力を託して凱は去っていく。
レジェンドから今の戦隊へ力と思いを託される。ジェットマン最終回の台詞を交えてバトンが繋がれるのが素晴らしい演出です。

冒頭のバーに戻り凱と賭けをした女性は神様だったと判明。地上に降りるために神様の力を借りてたというわけで。
鎧だけが凱の姿を見ることが出来なかったのは、名前が被ってややこしいし絡まれると面倒だから見えないようにしてくれって凱が神様に頼んだんじゃないかなと想像してみる。
まあぶっちゃけ脚本家が面倒くさがっただけ・・・ゲフンゲフン

タイムレンジャー以来に井上さんがスーパー戦隊に参戦。
書いたのはこの1本だけですがインパクトは絶大。キアイドーの強烈なキャラといい凱の振る舞いといい井上さんらしさ全開でした。
この回の放送当時の自分はジェットマンは未見で、凱の壮絶な最後だけ聞きかじりしてる程度の知識しかなかったんですがそれでもこの回は凄く面白くて印象に残っていました。
今改めてジェットマンを知った上で見るとまた感動も一塩で、凱のアフターストリーを書いていただいた事に改めて感謝しています。
そのうえで今のヒーローを立てる構成、マーベラスが恐怖を振り切るドラマとそれを見守るジョーの信頼を見せる話になっているのもお見事でした。


この組を持って中澤監督はテレビ本編から離脱。次は劇場版「ゴーカイジャーVSギャバン」の演出をすることになります。
メイン監督としてパイロットから海賊戦隊の在り方を描き続けてきたのでここで離脱しちゃうのは寂しいな。
今回も仲間との心の交流と、先輩戦士を立てつつもあくまで主軸は海賊戦隊のドラマであることを大事に描いていて、そのセンスはやっぱり凄いなと思います。

|

« 新ポケットモンスター第29話感想 | トップページ | ハリケンジャー感想記:29話と30話 »

特撮」カテゴリの記事

コメント

どちらも物語が後半に入ったからこその話でしたよね。まずは戦隊恒例の入れ代わり回ですが、やっぱりこういうのって役者さんの演技力が問われると思うんですよね。性別も性格も全く違うのにそれを演じ切る二人の演技力に脱帽です。勿論それだけでなく変身時のスーツアクターもそれに合わせたアクションを行うという徹底ぶり。今回もまた仲間達の関係性が掘り下げられて面白いし、スタッフは彼らの関係を大事にしてると思います。

一方はある意味で問題作な戦隊だったジェットマンのレジェンド回。まずキアイドーが怖すぎて………かつてマーベラスを徹底的に追い込み叩きのめしたに飽き足らず自ら弱点を作ってそのまま迫ってきた狂気が恐ろしかったし、杉田智和さんのイカれた演技も相まってマーベラスの違和感ある行動から彼の恐怖が非常に伝わりました。

そうして困ってるゴーカイジャーの前に現れたブラックコンドルの結城凱。ジェットマンは僕がまともに観た戦隊では一番古い作品ですが率直に言って凱のなんかヒーローらしくない、不良っぽい、でも全体を通して観ればめちゃくちゃ男気に溢れたカッコ良さは好きだったし、彼も戦うトレンディドラマにおける準主人公だったと思います。幹部の一人であるグレイとの幾度にも渡るライバル関係もどこか似てるとこある二人だけに見応えありましたね。

ラストでも戦死ではなく暴漢のナイフで刺されて終了だったものの、具体的な生死は曖昧でしたが、この話でやはり死去してた事を知って悲しくなりましたが、かつての仲間がお参りに来ているのもまた絆を感じたし嬉しかったです。

そんなジェットマンの重要キャラがマーベラスの前に現れて変身までして戦う姿は間違いなくマーベラスの勇気に火をつけてくれたと思うし、調子を取り戻したマーベラスは本当にカッコ良かったですね。

沢山書きましたがライブマン以降の戦隊はシリーズの打ち切りに苦戦させられていて、ファイブマンで視聴率を回復しても大変だったらしいけど、それでも足りない所にこの作品から話題になった戦うトレンディドラマは観る人に衝撃を与え、打ち切りの危機から救ったのは実際に見る事で存分に感じられたし、インパクトがあって面白かったです。

でもそれとは別にシリアスを過剰に持ち上げて直後の作品を貶める人が現れたのもまた複雑というか………アニポケでもBWが不調気味でXYで巻き返した直後のSMが叩かれてるの観た時はなんとなくこのジェットマンからのジュウレンジャーを思い出したんですよ。それ以外にもタイムからのガオ、シンケンからのゴセイ、カブト以前からの電王以降、ゴーバスからのキョウリュウにXYからのSM等なんでシリアスからのコミカルはあれこれ言われやすいんでしょうか?SMに関してはサトシの優勝がこれまでの特訓と釣り合って無いだの主人公補正だの言う人いたけど別にそんな事無いとですよね?。個人的にはXY持ち上げてる人は1期ライダー持ち上げてる人達よりはまだマシな方だと思いますが………。

最後が長くなったのでこれで終わりますが、確かにジェットマンとかカブト以前、XYは良かったと思うけど、コミカル路線その物を悪く言うのはなんか違う気がするし………ジェットマンの作風がヒットしたからシリーズ存続出来たのは事実だけど、同じ作風を繰り返すのもまた甘えだと思うし、アニポケもSMのサトシの優勝は大人の事情だったとは思いたく無いので。それにジェットマンでもノウハウがあったからその後のジュウレンジャーでも活かせた面もあるので単にシリアスだったり大人向けなだけが魅力とは思わないですね。

投稿: アルター | 2020年7月24日 (金) 18時32分

コメント返信:アルターさん


中澤監督曰くこの入れ替わり回はいつも以上に手間をかけて撮影し、キャストもスーツアクターも入れ替わりの表現に頭を悩ませたそうです。
その甲斐あって素晴らしい入れ替わりを演出し演者の皆さんの力も存分に現れた回だった思います。

キアイドーは1話限りのキャラクターとは思えない怖さでした。
そのキャラを設定した井上さんも声をあてた杉田さんもよくぞこれだけの存在を作り上げたと本当に頭が下がります。
そんな恐怖を打ち破る手助けをしてくれたのが、かつてはとてもヒーローらしくなかった凱というのが熱いです。
彼が本家の最終回で亡くなったのかは曖昧で、今回の客演にあたってどう扱うかスタッフの間では大分揉めたそうです。
結果亡くなったということになって放送当時も賛否はあったようですが、自分としては記事に書いた通りとても満足している話となりました。


戦隊でもアニポケでも、いやシリーズが続く作品群の宿命として、シリアスの後のコミカルは風向きが強くなる傾向にあると思っています。
長くシリーズを続けるにはシリアスと子供向けを交互にやっていかないと。
どちらか一方に偏ってしまうと新しいファンの獲得も商売としての売り上げも伸びていかない。
色んな可能性を探って次に繋げていくのが長期シリーズの強みであって、戦隊もアニポケもそれをやっているだけのことです。
売り上げが低迷してる時に思いってシリアスあるいはコミカルに振り切ることで人気を回復し、その次の作品がまたガラリと作風が変わって反発を受ける、挙げられた例は大体そんな感じだと思っています。
舵が大きくきられるとどうしたって反発が出てその中には酷い言葉を投げる人もいるんですが、それが間違いだとは思わないです。
自分はその振り幅を楽しいと思っているので、一々文句言ってる人たちの相手はしていられない。
コミカルでもシリアスでも子供に向けて真剣に作られてるアニポケや戦隊をこれからも応援していく、ただそれだけです。

投稿: んがよぺ | 2020年7月25日 (土) 18時46分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 新ポケットモンスター第29話感想 | トップページ | ハリケンジャー感想記:29話と30話 »