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2020年6月12日 (金)

ゴーカイジャー感想記:15話と16話

毎週日曜日に東映特撮YouTube Officialで海賊戦隊ゴーカイジャーが配信中。
今週分の感想です。

第15話「私掠船現る」
2011年5月29日放送
監督:中澤祥次郎
脚本:香村純子

ゴーカイジャーに掛けられてる懸賞金が上がったと一報があり船内が騒がしくなる。
皇帝側近のデラツエイガーを倒しワルズ・ギルに手傷を負わせたんだからゴーカイジャーへの警戒がさらに強くなるのも納得。
騒がしさを傍らにマーベラスはダーツの特訓。7話で明らかになったさり気ない日々の鍛錬が引き続き描かれてるのが丁寧で良いです。


危険が迫ってる事をナビィが予知し、ほどなくその危険の正体、かつてマーベラスを裏切ったバスコが現れる。
アカレッド・マーベラス・バスコ、この3人で結成された赤き海賊団が宇宙を旅してレンジャーキーを集めていたが、バスコは宝を独り占めしたいがためにザンギャックと手を組み裏切ったという。そして2話の回想にもあったマーベラスがアカレッドから夢を託されるシーンへと続くと。

楽しい冒険の旅だった。3人一緒だった頃のマーベラスは良い笑顔をしてて、楽しいという言葉も言い方は素っ気ないけど心からの言葉、仲間と一緒に夢を追う冒険が何よりもマーベラスの心を満たしていたんだと思う。
それがバスコの裏切りで瓦解した。再会するなり彼に怒りを滾らせるのも納得。
マーベラスが今の仲間たちを大切にしていること、仲間を傷つける者に容赦ないのは2度と仲間を失いたくない強い思いあっての事なんだと思います。


バスコに情報を与えるダマラス。
9話でワルズ・ギルの鶴の一声で大いなる力を狙った作戦が中断されたことがありました。
ダマラスとしては大いなる力をまだ諦めたくなくてバスコを利用しようと、あわよくばゴーカイジャーを倒してくれると考えてのことなんでしょうね。
その狙いをバスコは承知済みでさっさと始末してくれてれば面倒が無かったという皮肉で返す、悪VS悪で火花を散らしてるのが渋いです。

アカレッドは隠し事をしてたとマーベラスの知らないレンジャーキーを見せびらかすバスコ。
マーベラスがアカレッドを慕ってたことを承知の上で揺さぶりをかけるのが嫌らしいし、マーベラスがアカレッドから何か聞いてないか情報を引き出そうという狙いもあるんだろうね、狡猾な。
そしてバスコはレンジャーキーを実体化させ自分の兵隊としてスーパー戦隊の力を操る。
スーパー戦隊の力を悪用してることもマーベラス一人に複数人で戦おうとする卑怯な振る舞いもとことん嫌らしい。当人も卑怯を承知でそう振舞ってるのが本当に「悪」なんだなと感じる。


手出し無用と言われてもマーベラスを助けに来る仲間たち。
深入りしないのがルールとは言ってもやっぱり仲間の事は放っておけない。4話でも描かれた海賊戦隊のチームの在り方は今回も健在。偶然なんて分かりやすい建前で助けに来る仲間たちが素敵です。

こんな素晴らしい仲間たちと一緒なら負けるはずが無い。
バスコが操る戦士たちを何とか退けこれで勝った・・・と思ったら、実は他のレンジャーキーも実体化して待ち構えていたという罠が。
爆炎の中から姿を現しゴーカイージャーを取り囲む10人の戦士たち、この光景の圧倒的絶望感よ。
5vs10という数の暴力もそうだし、ただでさえ強い追加戦士を5人倒すだけでもやっとだったのにさらに10人も揃って追い打ちなんてとても勝てる気がしない。
歴代戦士が並び立つのは普通ならテンションが上がる熱い光景のはずなのに、絶望的な光景として演出してるのが凄いなと。ヒーローを悪者扱いしてけしからんというよりよくやってるなあと感心する思いの方が強いです。
演出も良いし戦隊フリークである香村さんがこういう話を書いているというのも思い切った挑戦だなと思うのです。


何かを得るために何かを捨てる、それがバスコの信条。
赤き海賊団を裏切った時もそうやって仲間を捨てて、先に召還した5本のレンジャーキーはマーベラスの仲間を人質に取るための捨て石だった。
仲間も歴代戦士の力も次に何かを得るための手段であり道具でしかない、とことん「悪」を見せつけた上でゴーカイジャーを追い詰める、登場初回でここまで強烈なライバルを描いているのが凄いです。


第16話「激突! 戦隊VS戦隊」
2011年6月5日放送
監督:中澤祥次郎
脚本:香村純子


バスコは仲間を人質にマーベラスに取引を持ちかける。ゴーカイガレオンとレンジャーキーとナビィ、それが宇宙最大の宝を手に入れるために必要だから。
ナビィがついでのように言われてるけど、実は凄く重要な存在で終盤ビックリする事があるんだよね。
仲間と宝どちらを取るか迷ってるのかと煽り取引が駄目なら仲間はザンギャックに売るとさらに追い打ちをかける。今の仲間たちがとても大切な存在と分かっててとことんマーベラスの心を揺さぶってるのが嫌らしい。
ルカが自分を雇わないかと持ちかけてもそれを演技と見抜き人を信じてないと冷たい言葉。
4人が牢屋から脱出を図っても先回りしてその努力を無に帰す抜け目の無さ。
前回に続き強大なライバルであることを見せつけているのが印象的です。

仲間たちは自分たちのためにマーベラスに夢を諦めて欲しくないと皆思いは同じ。
マーベラスが取引に応じると聞いて自分たちが助かることに喜ぶのではなく夢を諦めてしまったことに肩を落としているのが、彼らが仲間の事を何よりも思っていることを象徴してて印象的。

マーベラスの本当の答えは仲間も宝もどっちも取る、それが海賊だという欲張りな答え。
諦めたら手に入らない、あとは決断だけ、かつてアカレッドと出会った時に言われた言葉を思い出し静かな船内で仲間たちの事も思い浮かべての決断。
宝を手に入れる夢もそれを一緒に目指す仲間もどちらも大切だと分かる心情描写が素敵。
何かを得るために何かを捨てるというバスコの信条に真っ向から挑戦する宣言でもあり、その答えを聞いたバスコの怪訝な表情も印象的。
その考え方が信じられないという思いもあれば何も諦めない決断を羨む気持ちもあったりして。


マーベラスは宝箱を渡すふりをして自分のモバイレーツとキーを渡して仲間を解放する狙いだった。
咄嗟にそれに気付いてジョーはハカセを変身させるアシストをしてルカとアイムはサリーの足止め。
無茶な作戦に咄嗟に応じれるのがこのチームの絆を端的に表してて好きだな。
モバイレーツが誰でも使えるのは2話で少年がシンケンレッドに変身して分かっているのでその設定を拾った形だね。これも上手いなと感心。

5人が揃いバスコが操る戦士たちと再戦。
手強い戦士たちだが改めて海賊戦隊の絆を確かめた5人が負けるはずも無く。
一度敗れた強敵相手に仲間と共に再び挑んで勝利する、ベタだけどやっぱり良いものです。

戦いを終えて面倒に巻き込んだと謝るマーベラスに今に始まったことじゃないと気にしてない様子の仲間たち、そしてマーベラスはボソッと感謝の言葉を零す。
無茶と無謀に付き合ってなんぼだという仲間たちの答えも直接は感謝を伝えないマーベラスもこの距離感が素敵。

勝利を収めて15の追加戦士のキーを手に入れたゴーカイジャー。しかしバスコの元にはまだ残ってるキーがあって。
15戦士が一気に登場するだけでもお腹いっぱいなのにまだ隠し玉があるという引きがズルいわ。

バスコの相棒サリーの中には様々な怪物が仕込んであって今回登場したのはリキッドロイド・ワテル。
今後も色んな怪物がサリーの中から飛出してきてゴーカイオーと戦う事に。
放送当時は全然意識してなかったんですが、ダイヤルを回すと何かが飛び出すってゴーカイオーのギミックと一緒なんだと今さら気付く。


中澤監督3度目の登板。メイン監督としてゴーカイジャーの絆と新ライバル・バスコの存在感をたっぷり見せてくれたのが流石の手腕です。
仲間も夢も諦めないマーベラスと何かを捨てる事を躊躇わないバスコの対立。火花を散らしながら両者の核となるものを浮き彫りにした香村さんの脚本も素晴らしい。

13・14話の振れ幅の大きさに面食らって、その次は新たなライバル登場とゴーカイジャーの大ピンチと逆転劇。そして次の組ではアイツが登場。
こう次々と目を見張る展開が続くなんて本当豪快な番組だったんだなと改めて思います。

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コメント

新たな敵登場というだけあって緊迫感のある前編後編でしたよね。バスコは何かを手にするには何かを捨てなければならないという信条の元に動いていましたが、宝を手にするためなら仲間を平気で裏切り、あわよくばかつてのヒーローの力を自らの手駒として扱う、更には戦いの中で精神を揺さぶる発言をして攻めに掛かってくる等本当に怖かったです。

そのヒーローを傀儡とする姿がヤバかったからか子供達も怖がっていたそうですね。似たような感じの敵にジェットマンのラディゲがいますが、あちらがとにかく荒々しい力攻めで相手を屈服させたり(トランザとか精神崩壊したから恐ろしい)自分を介護した女性を躊躇なく消す等してたのに対して、こちらは先程も書いたように目的の為なら平気で仲間を裏切り、敵にも情報を与え、先程のレンジャーキーを全て軽いノリで行うのもラディゲとは違った恐ろしさを醸し出していたように思います。

でもこれまで描かれていたようにマーベラスには信じ合える仲間がいる。向こうが宝の為に仲間を裏切るのに対し、マーベラスは仲間の為にキーを渡そうとし、仲間が落胆するのもそれだけ結束力が強い事を表していると感じました。でも仲間もキーも渡さずお返しと言わんばかりに闘って追加戦士のキーも自らの手元に置くなどやっぱりやってくれますね。

サリーの怪物召喚がゴーカイオーと似たプロセスを挟むのも彼らと対比させる意図があるんでしょうね。終盤でとんでもない事になりましたが、それはその時に。なんであれ新たな敵登場の回として見応えあるエピソードだったと思います。

投稿: アルター | 2020年6月13日 (土) 12時36分

コメント返信:アルターさん

ラディゲのように力で押さえつけようとする悪も厄介ですが(彼も名悪役ですね)相手の心を揺さぶり狡猾さを存分に発揮してるバスコもまた強烈な悪でしたね。
ラディゲもバスコも演じてる役者さんがガチで当時の子供たちに嫌われていたと聞きます。
それだけ役者さんの演技が素晴らしくまたシナリオも演出も悪役の存在感を上手く描くいていた証左ですね。
バスコがとことん卑劣な分、マーベラスも人質にされた4人も仲間を思う心が際立って改めてこのチームが好きだと思えました。

投稿: んがよぺ | 2020年6月13日 (土) 16時14分

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