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2020年5月17日 (日)

アニポケ感想EX:無印8話

新アニポケが再開するまで歴代アニポケのエピソードを語る記事です。
今週は無印から8話を。

「ポケモンリーグへのみち」
1997年5月20日放送
脚本:冨岡淳広
コンテ:鈴木敏明
演出:鈴木敏明
作画監督:志村隆行

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-未熟なサトシ-

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クチバシティへの道中、トレーナーとのバトルで10連勝したサトシが調子に乗って地元では有名な猛獣使いのアキラに挑戦して完膚なきまでに叩きのめされる、という流れ。
文字通り天狗になって高い鼻をへし折られる、当然の結果とはいえ情けない。
シリーズを重ねるごとにバトルではキリっとした姿を見せるサトシだけど最初の頃はこんなお子ちゃまだったんですよ。

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アキラは水が苦手なサンドにあえてプールに飛び込ませて鍛えようと厳しい特訓をしていて、その厳しさに納得いかないサトシはアキラと取っ組み合いになり彼のやり方を否定する。
さらにサンドの姿が見えなくなったことにきっとアキラに愛想が尽きたんだと失礼すぎる態度。サンドはロケット団の手違いで攫われてしまったのだが、それを知らなかったとはいえアキラとサンドの絆を勝手に否定するなんてあまりにも酷い。
他にもアキラに負けたのはフィールドに何が仕掛けがあるんじゃないかと負けを素直に認めなかったり、アキラより自分の方が好かれるはずだとジムの他のポケモンたちに呼びかけて総スカンを食らったりと、今のサトシじゃ考えられない無知で未熟な態度が見られます。
旅に出たばかりで世界の広さを知らない10歳の少年としては年相応の描かれ方だとは思いますけどね。
それにしても久々に見たらあまりにも幼過ぎて成長を重ねた近年のシリーズとのギャップの大きさに仰天しました。

が、ただ未熟なだけでもなく。
アキラがサンドたちと抱き合う姿を見てポケモンたちがアキラを好きだと気付いたこと、ロケット団に馬鹿にされて黙っていられないとアキラがプライドのために戦う姿に感じるものがあったようで。
ポケモンとトレーナーが思い合う事や強い思いには感じるものがあるのは現在にも通じるサトシの良いところだなと思いました。


-アキラの信念-

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非公認のジムを作ってひたすら特訓に励むアキラ。
100連勝を達成してからジムバッジ獲得のために旅に出ると目標を定め、ポケモンたちに合わせたポケモンフーズを調合し体調管理は万全、強い信念を持って鍛えていることがうかがえる。
劇中ではサトシとロケット団に勝利して100連勝達成してるけど、連勝が途切れてやり直しになったこともあったんじゃないかなと想像してみる。
サンドを始めポケモンたちがアキラを慕うのはそんな苦労を共にしてきたからんじゃないかなって。

100連勝がバッジを手に入れるための前哨戦でしかないというのがアキラの強い思いをうかがわせます。
バッジを集めポケモンリーグに挑戦するからには絶対に勝ちあがって優勝する、目標を達成するためには妥協しないという信念を感じます。


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サトシが失礼な事ばかりしてるのに自分のバトルを見ていてくれと言ったり別れ際に握手を交わしたり、アキラは強いだけじゃなく人格者なのも好感が持てます。
こんな素敵なキャラクターなのに登場したのはこの回限りなのが非常にもったいない。


-昔だから出来た表現-

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バトル前にサトシとの会話で間接的にアキラに馬鹿にされたカスミがサムズダウンしててタケシは「畳んじまえ」と物騒なことを。

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サンドの”じわれ”で地面が真っ二つ。

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バッジを見せびらかして調子に乗ってるサトシに呆れたピカチュウが「ビカビッチャ~」と今では考えられない鳴き声で。


これらの表現、今の放送倫理ではアウトだしピカチュウの鳴き声もアニポケ黎明期で色々手探りだからこその表現だなと思い。
放送当時は何の違和感も無かったけど時が経つと貴重な表現だったなと不思議な感覚になります。


-憶測-

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繰り返しになるけどアキラが1回きりの登場だったのがもったいない。
再登場させるつもりだったけどポケモンショックが起きたりポケモン金銀の開発が遅れたりと想定外の事が続いてシリーズ構成を変えざるを得なくて彼の再登場も流れちゃった、なんてことだったのかなと想像してみる。
オレンジ諸島編のOP「ライバル!」にアキラが映ってるのはその名残だったりするのかななんて。

さらなる憶測ですが。
後のダイヤモンド&パールでポケモンの育て方ついて考えが対立し何度もサトシとぶつかったライバル・シンジ。
サトシとシンジのライバル関係の礎ってこの回のサトシとアキラだったんじゃないかなと。
考えが異なる者と切磋琢磨し大舞台で決着をつける。サトシとアキラで出来なかったことを再び・・・という思いを冨岡さんが抱いてて、DPでサトシとシンジにそれを託したんじゃないかなと。
あくまで個人の勝手な憶測なので真に受けないでくださいね。


放送当時は子供心にもこの回のサトシはカッコ悪いと思いました。
アキラのやり方が正しいとも思わなかったけどかといって嫌いでは無く、むしろ信念を持ってる事に好感を抱いていたと思います。
今改めて視聴しても好感を抱くのはやっぱりアキラの方でサトシの情けなさにビックリしたのは前述したとおり。
でもこういう経験を経て今のサトシに繋がっているんだと改めて確認出来たので、これも決して無駄な事じゃないんだと思いました。

それともう一つ。
アキラのサンドは地中からの奇襲という自分の得意とするフィールドを活かした戦い方で相手を圧倒していた。
このフィールドを活かすというバトル描写は今でも冨岡脚本に見られる傾向で、初期のころから冨岡さんバトル描写上手かったんだなと再認識。

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コメント

この内容、言われてみたらまだ方向性の決まってないアニポケだから出来た内容ですよね。自分もアキラのキャラはシンジを思わせましたね。まあシンジと違って特訓は過酷でもわかりやすいキツイ言葉でポケモンを精神的に追い詰めたりしなかたり、ポケモンが特訓を達成した時は厳しさから一転一緒に喜んでくれる辺りシンジよりは好感持てるかなと思いました。もちろんシンジもシンジで思うところあったからこそのキツイ言動なのはわかってますけど。

アキラの声優は檜山修之さんですが、後のシリーズでもダツラやクロツグ、ハラさんといったサトシの前に立ちふさがるキャラを演じているのが妙な縁を感じますね。

サトシも言われてみると未熟というか悪い言い方すると感に触る態度取ってるというか。サンムーンで精神退行してるとか言われる事あったけど、正直この回で撮った態度考えると寧ろサンムーンのサトシはめちゃくちゃ成長してるように思えるのですが…またXYのイケメンサトシに戻せとか言う人もいますが、個人的にはこの回で見せたようなかっこ悪いところもある意味では必要だと思えるんですよね。XYサトシは確かに成長具合としては素晴らしいと思えるんですけど、一方で子供向け番組の主人公としてはカッコよすぎるように思えるのと、やんちゃ且つ無鉄砲な彼を懐かしく思う気持ちがあるのも正直なわけで、キャラの成長を書く上ではカッコ悪い姿だって重要だとも思えるんですよね。もしアニポケが最近始まった作品でサトシがこのような行動とったら炎上したんでしょうか?

アキラがレギュラーで無い云々ですが、言われてみるとこの後も出てきたらかなり魅力的なキャラになり得た感じはするし、そこは惜しいところですね。まあサトシのメインライバルがシゲルだからシゲルを優先したかったのかもしれないけど。

アキラの100連勝云々はコルニもやってましたよね。コロナが無かったら今頃サトシとの再戦観れたかもしれないのに本当に悲しいです。今この状況になったりグズマの描写で炎上して僕が落ち込む事なったのって去年そちらのミュウツーの映画の感想記事でめちゃくちゃ書いたから僕に天罰来たのかと最近思うんですよね。グズマの一件で炎上起こした連中と同じような事してる輩や、他作品を比較したがる輩への苛立ちもあったとはいえ…。

最後に書きますが、この記事でアキラへのサトシの態度に関して今回のように書いてますが、同様にグズマのメガガルーラ戦についてリーリエが非難の言葉を言った件についてはどう思っているんですか?あれについて炎上するの当然、リーリエはモラルが無い、表現がグズマを不当に悪く書いてる、リーリエの態度は卑怯だとか汚いとか言ってる表現だったとか言う人いまして。

なんだかんだんがよぺさんはアニポケへの着眼点鋭いと思いますよ。SM134話でんがよぺさんは勘違いしてるとか言ってくる人いましたが、SM137話見る限り寧ろんがよぺさんの解釈は合ってたように思えます。アキラとシンジへの着眼点も面白いし。なんであれ無印時代は下手したらアニポケをシリーズ化する発想自体無かったようにも思えるし、以降のシリーズがダメという訳では無いですが、サトシが未熟だからこそ、アニポケがシリーズ化決定してないからこそ出来たストーリーというのは面白い物ありますよね。

投稿: アルター | 2020年5月17日 (日) 23時55分

コメント返信:アルターさん

この回のサトシは
・アニポケ黎明期
・当時の時代性だから許された
・ポケモンブーム真っただ中
等々当時の状況がいろいろ絡み合って許された表現だと思うので、今の時代に物語を引っ張る主人公にこんな態度取らせたら炎上必至だと思いますよ。
もちろんこの経験はサトシに必要な事だから描かれてるわけで、これがあるから後のシリーズの成熟したサトシに繋がっていくというのは言わずもがな。

XYのイケメンサトシとサン&ムーンの元気なサトシも、それぞれ作り手がサトシをどう描きたいか明確なビジョンを持って貫徹してたと思うのでどちらが優れているかを比較するのはナンセンスだなと思います。
主人公としてどっちの描き方が好きか、個人の好みがあるのはもちろん否定しません。”XYの頃に戻せ”と自分の好みの方に寄せようと乱暴な言い方になるのが良くないだけで。
”AよりBの方が好き”くらいの書き方なら余計ないさかいを起こさず読んだ人を不快にさせにくいと思うんですけどね。


リーリエのグズマ評は当然の反応だと思ってますし自分は不当にグズマを貶めてるなんて思ってませんよ。
実際に相対したスイレンやサトシと戦った事のないリーリエでは感想が違うのは当たり前だしリーリエにモラルが無いなんて全く考えてません。
この件について怒ってる人の意見については理解も共感も難しいので、間違ってるとは言わないけど一切頷くことは無いです。


自分のやったことはいずれ自分に返ってくるものですが。
だからって良くないことが起きたら自分が悪いんだと考えすぎるのは正しくないです。
ましてやこの情勢は全世界的な事なのにそれを自分への天罰というのは考えが飛躍し過ぎ。ただ自分を苦しめるだけなので改めた方がよいですよ。

投稿: んがよぺ | 2020年5月18日 (月) 21時08分

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