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2019年2月15日 (金)

アニポケSM感想:カプ・レヒレの霧の中で

108話
「カプ・レヒレの霧の中で」
脚本:松井亜弥
コンテ:でんさおり
演出:でんさおり
作画監督:香月麻衣子 山崎玲愛

-心を開くハプウ-

今回はスクールの生徒全員でハプウの家を訪ねてお泊り。
大勢の客人は久しぶりだとハプウもウキウキでポニ大根の種まきを皆に手伝ったもらってとすっかり打ち解けてる様子。
前回も書きましたけど初めて会った時とは大違いだ。
言い出しっぺはハプウなのか生徒たちの方なのか。前回寂しさを隠せてなかったのでハプウが招待したのかな。
ハプウが皆に心を開いてること、これが後半の彼女の行動にも繋がるので構成がしっかりしてると感心します。


-マオの後悔-

前回カプ・レヒレの霧の中に現れた謎の老人。その老人が雑誌の表紙に載っていてハプウの祖父だとサトシとカキが気付いたことでカプ・レヒレが死者に会わせる力があることに話が及ぶ。
リーリエはグラジオから既にその噂を聞いていたがハプウの話で本当のことだと確証を得て、傍らで話を聞いてたマオの様子がおかしくてスイレンが何かを察したようで。
サトシとカキは前回の不思議な体験の真実を知ることになり、リーリエにとっては兄の願いが叶う希望を抱かせ、マオにとっては悲しい思いを蘇らせることになる。
一つの情報でそれぞれに違う思いを抱かせる構成が上手い。


マオの母はマオが幼い頃に病気で亡くなったという。アマカジは母がまだ元気だったころに一緒ゲットしたポケモンでありいわば忘れ形見であった。
アマカジをゲットできた時の嬉しそうな親子の姿、とても幸せな時間なのにこの後悲しい別れが待ってるのが辛すぎる。

アニポケで片親設定は珍しくない-サトシからしてそうだし-ですが、こうもハッキリとその理由を、既に故人だと描いてるのは珍しくて衝撃です。
スクールの生徒たちの家族模様、皆両親がいるのにマオの母だけずっとその存在に触れてないのが気になってはいたけど故人だとは思わなかったな。
そしてマオが何故周囲への面倒見がよいのか、いわばオカンのポジションなのかもわかった。亡くなった母の役割を担い母の分まで頑張って生きてきたんだ、泣く。

39話でヤレユータンのカウンセリングを受けて褒めてもらいたいと零してたこともあったけど、あれは父のことだけじゃなく今はいない母の事も含んでいたのかなと。
今になって過去のエピソードに違う意味を見出すことになるとは驚きです。


-再会と別れ-

ハプウの畑で種まきをしてる最中に霧が立ち込めサトシとマオとリーリエがはぐれてしまう。
カプ・レヒレの霧の中はあの世とこの世の境界、戻れなくなる者もいるという。
死者に会うのだから何のリスクもないわけが無いのは当然か。しかしそうなると前回のサトシとカキはかなり危険な状況だったのでは。怖い。

サトシが霧の中で会ったのはムーランド。正確にはニャヒートが会いたいと願ったからですが。
ムーランドの体に顔をうずめ、別れてから自分が覚えたワザを披露し自身の成長をアピールするニャヒート。
進化して成長したニャヒートだけどこの時の様子は親、もしくはおじいちゃんに甘える子供のように見えました。
心なしか進化前のニャビーに戻ったように感じたんですが、声をあてた西村ちなみさん曰くニャビーに寄せて演技したとの事、泣ける。

ムーランドはさらなる技をニャヒートに教えてくれる。
”ひのこ”にパンチを当て炎を拡散させて”だいもんじ”に進化。パワーアップしてるのが分かりやすく絵に表れてるし、まだ最終進化に至ってないニャヒートが大技を出す方法として理に適ってて面白い。

ニャヒートのさらなる成長を見届けたムーランドは霧の消滅とともに去っていく。
再びの別れとなるがニャヒートの表情には悲しみはなくどこか晴れやかに感じられる。
気にかけてた子が逞しくなってることにムーランドも安堵しただろうしニャヒートも今の自分に誇りを持ちそれをムーランドに見せることが出来たから再びの別れを受け入れられるんだろうなと。


-ごめんではなくありがとう-

マオは母と再会。スイレンに問われて会いたくないと言ってたがやっぱり本音の裏返し、
母の姿を見つけるなり駆け寄って泣きながら謝るマオ。嫌いと言ってしまった後悔を吐露するのが泣けてしまう。
さらにマオ母も謝る。マオに言うべきはごめんねではなくありがとうだったと。
マオが立派に成長したこと、アマカジを大事に育てて進化させたこと、家の事アイナ食堂を守ってくれたこと、たくさんのありがとうをマオへ贈る。
そしてマオもごめんねではなくありがとうを伝える。優しい母でいてくれたこと、一緒に散歩したこと、アマカジをゲットしてくれたこと、そして生んでくれてありがとうと。
本当に伝えたかったのはごめんねではなくありがとう。その思いに応えて感謝の心を伝えるグラシデアの花が咲き乱れて、この親子が思いあう心がこれでもかと表れていて涙腺ボロボロです。
マオ役の上田さんの演技も素晴らしいし作画も表情の描き方に力入ってて泣くなというのが無理な話。

母との再びの別れの後感謝の心に応えるポケモンシェイミがマオの元に現れる。
Cパートで母に感謝の心を伝えられたのはこの子のおかげかもとマオは言う。
ポケモンがいてくれることで前に進んでいける、素敵なことじゃないか。


-守り神の真意は-

霧の中の世界からサトシたちを帰して欲しいとハプウはカプ・レヒレに直訴する。
応えてくれないならと実力行使に出てゴルーグを出して攻撃。守り神を攻撃するなんて畏れ多いこと以前のハプウには考えられない行動だ。
その行動にこそカプ・レヒレは心動かされハプウをしまクイーンと認めたとソフウは言う。
考えが固すぎたハプウが皆と出会い少しずつ変わっていって、その皆のために以前なら考えられない行動を起こせるようなった、その変化こそカプ・レヒレが待ち望んだことだったんだろうなと。

今回の霧の騒動、カプ・レヒレがハプウを試すためはもちろんハプウを変えてくれた皆への感謝の表れでもあったのかな。
楽しいバトルで考えを改めるきっかけを作ったサトシとグラジオ、料理でハプウの心をときほぐしたマオ、きっかけをくれた皆にそれぞれが願う者に会わせたくて霧の世界へ誘ったのかなと。


-新たな希望-

ムーランドとマオの母、それぞれ願う者に出会えたのにグラジオとリーリエが会いたいと願う父の姿だけは無かった。
ハプウ曰く現れなかったということはこの世界のどこかで生きてる。会えなかった失望から一転、希望を抱かせる事実が明らかに。

マオは母の思いを知りニャヒートはムーランドからワザ教わりグラジオとリーリエは父に会える希望を持った。
霧の中の出来事が、形は皆違うけど希望を、前に進んでいく力をそれぞれが抱く話でした。

ムーランドと別れた21話は亡くなったと明言こそされなくてもその事実は察せられる内容で、今回改めて別れを描いたことで既に亡くなってるのだとハッキリわかる。
でもニャヒートもサトシも悲しみよりも大事なものを残してくれた希望に溢れている。
マオも母に思いを伝えられたことで前に進んでいける。
大切な者との別れは辛いけど悲しさだけじゃなくこれからを生きてく支えにもなる。
人とポケモンの死を描きながら悲しさだけじゃなく優しさに溢れ希望を抱かせる話になってるのが素晴らしいです。

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コメント

本当に素晴らしい回でした。 マオのこれまでの対応も今回の事も踏まえて考えると本当に府に落ちましたね。前作のシトロンもコリンク(今のレントラー)の事でずっと思う事あってようやく想いを伝える事出来ましたし、でもそれとは違ってニャヒートとマオは会いたい人やポケモンが死んでしまっているため心残りが出来てしまってたのでしょうが、このような形で想いを伝える事が出来たのは本当に良かったと思います。

マオ役の上田麗奈さんやニャヒート役の西村ちなみさんの演技力も素晴らしいし、双方の想ってる人(ポケモン)に対する感謝の気持ちが声に表れていてめちゃくちゃ感動しました。

感謝の象徴であるシェイミがマオの前に現れたのもやはり彼女の感謝に呼応したからでしょうし、マオがしばらく一緒にいるみたいな話をしていた以上また一つの別れが来る事になるでしょうがしっかり見送る事が出来るように見守りたいです。

リーリエとグラジオの父親についてはやはりと思っていましたが、このように希望を示してくれた以上この再開も近いでしょうね。次回はいよいよ大試練、ニャヒートが最後まで参加しなかったのは少し残念ですけど成長したハプウがサトシとどのようなバトルをするか楽しみですね。

投稿: アルター | 2019年2月15日 (金) 14時20分

追記 ロトム図鑑役の浪川大輔さんがシンカリオン出演決まりましたね! 浪川さんはロトムのような抜けてるけど憎めないキャラから劇場版ルカリオのような勇ましい雰囲気のキャラ、戦隊でもゴーオンジャーの走輔の良き相棒スピードルでしたし近年だとキュウレンジャーのクエルボを演じていましたね。アニポケとは別の作品で知ってる人が出てると違った演技が楽しめていいですね。シンカリオンでもどのような立ち位置になるか楽しみです。

投稿: アルター | 2019年2月16日 (土) 04時02分

目に見えなくても心はちゃんと繋がってるからね
泣かせる話です

投稿: | 2019年2月16日 (土) 12時23分

コメント返信

>アルターさん
コメントありがとうございます。

マオもニャヒートも伝えられなかった思いをやっと伝えられたというのが本当に涙を誘います。
シトロンとコリンクと違い死というどうしようもない別れがあるだけに後悔を引きずらないように思いを伝える機会に恵まれたのが本当に良かったなと。

アニポケの出演者の方々は皆様上手いですが今回は特にその演技力に唸らされました。
これは心を揺さぶれますよ。

出会いがあればまた別れも。シェイミの旅立ちがどう描かれるか、これもまた以前記事に書いた”卒業”を意識したものになるのかなと考えます。

浪川さんの新たな活躍が見られると分かりシンカリオンの方も楽しみです。
以前話題にされたうえだゆうじさんと同じくこの方もマスコット的なキャラも悪役もカッコいいキャラも色々やってらっしゃって本当に凄い役者さんだと思います。


>名無しさん
コメントありがとうございます。
ここに居なくても心は繋がってるというのは優しくて温かいメッセージで泣けますね。

投稿: んがよぺ | 2019年2月17日 (日) 00時50分

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