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2017年4月 8日 (土)

アニポケSM感想:20周年1時間スペシャル

今週のアニポケは1時間スペシャル。
ポケモンアニメ20周年記念にして新年度最初の放送となりました。

更新が遅い割には大したことかけてませんが、以下お読みいただければ幸いです。


20話
「サトシとピカチュウ、二人の約束」
脚本:松井亜弥
コンテ:尼野浩正
演出:仲野良
作画監督:安田周平 村田理


-長い長いショッピング-

ショッピングを楽しむ女子3人とそれに付き合う男子3人。
女子達はとても楽しそうで微笑ましい光景だが、男子達は飽きてきてその場から逃げ出そうとする。
カキはもっともらしい理由をつけて抜け出しマーマネは苦しい言い訳で、ロトムまでアローラ探偵ラキの一挙放送を理由に抜け出す。
ラキの一挙放送、リアルタイムでも見て録画にも残しておくというロトムの嵌りっぷりは凄まじい。
というかラキのことに限ればオタクになってるなあロトム。

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そして上手い言い訳が思いつかなかったサトシだけ最後までショッピングにつき合わされると。
ここで言い訳が出来ないところがサトシらしいというか。


お店のお姉さんからタカラ島のことを聞いて興味が沸いてきたちょうどその時に女子3人の買い物が終わってサトシは嬉々として島へ向かう。
ずっと待たされてたとはいえ、ここで思いっきりはしゃいじゃって今まで退屈だったことを表しちゃってるのはちょっとデリカシーが無いなあと思った。
それもサトシらしいというか10歳の少年っぽいなあと思ったり。


-2人だけの時間-

カヤックを借りて島へ向かうサトシとピカチュウ。
そこそこ距離があるのに自力で海を渡ってしまうところが凄いというかさらりととんでもない事やってますねこの少年。

青い海と空を見て世界に自分達しかいないような感じがしてワクワクすると、ちょっと詩的なことを言うのが印象的でした。

島に到着してピカチュウと一緒に色んなポケモンたちの姿を見て遊んで、本当に楽しそうな光景が続いてて、視聴中あったかい気持ちでいられました。
2話ではナッシーにうっかり近づいて吹っ飛ばされたのに今回はナッシーの群れと一緒に遊んでるのも地味に学習の成果が活きてるように思えて良かったです。
後ほどナッシーが助けになってくれるのもここで一緒に遊んだ事が活きてて上手いなあと感心。

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久しぶりにピカチュウと2人きりになれて、アローラ地方に来て良かったと、ここでもっと強くなると誓いを新たにするサトシ。
2人きりの時に、ピカチュウにだけ思いを打ち明けるというのが素敵じゃないですか。
2人で思いっきり遊んで2人だけの時間を過ごす中での語りというのが、サトシにとっての一番の相棒はやっぱりピカチュウなんだなと、2人の絆を改めて感じられて良かったです。

この2人きりの状況を作るためにタカラ島という舞台があってここに2人だけで来るために冒頭の買い物のシーンがあって、カキとマーマネとロトムが買い物から逃げたのもこの状況をつくるための前振りになってるのも上手い構成だなあと感心します。


-守り神の祝福-

岩場に迷い込み身動きが取れないコソクムシを助けようとするサトシ。
リュックを取奪おうとしたポケモンなのに、困っているポケモンは放っておかず体を張れるところはサトシらしいなあと。
崖を登るのが無理だと判断したピカチュウがナッシーに助けを求めてくれたのが、サトシをフォローするパートナーって感じでこれも良かったな。
そしてピカチュウにアイアンテールを指示して岩場からの出口を作ってコソクムシを助ける。
本当にいいコンビですわこの2人。


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傷だらけになってたサトシを癒してくれたのは月光に映えるカプ・テテフ。
サトシとピカチュウがコソクムシを助けるところはおそらく見てなくて偶々通りかかっただけだと思いますが、この癒しは守り神から2人への感謝の気持ちのようにも思えました。
他の地方から来たのにアローラを好きだと言ってくれて、荷物を奪おうとしたポケモンなのに体を張って助けてくれた。
その行いへの感謝であり、また、新たに誓いを立ててポケモンマスターの夢を追う2人の前途を祝福しているかのようにも思えた。


-ロトムへのフォロー-

ロトムが居なくてアブリーやコソクムシの事を調べる事が出来ませんでしたが、家に帰ってから改めてロトムにポケモンの解説をさせていたのは良かった。
ロトムが離れてたことでサトシとピカチュウが2人きりなれたけどポケモンのことを調べられないデメリットもあったわけで、Cパートまで使ってフォローをしてたのは丁寧だったなと。
図鑑がただの道具ではなくロトムと一体になっているという今シリーズの特異性が活かされてる話でもあったなと思いました。



21話
「ニャビー、旅立ちの時!」
脚本:冨岡淳広
コンテ:浅田裕二
演出:浅田裕二
作画監督:岩根雅明 志村泉


-近づく死-

ムーランドが初めて登場した7話でもいずれ死期が来るんだろうと予感はしてましたが、今回はついにその時が来てしまったというのを嫌でも感じる話でした。
木の枝から飛び散っていく木の葉。近づく死を予感させるものとしてはよくある演出かと思いますが冒頭からそれを見せてくるんだからキツイ。

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木の葉が川を流れていくのは灯篭流しを連想しちゃってこれも死を思わせて苦しい。

サトシがムーランドを担いだ時にも軽いと言ってて、もうムーランドの体が相当弱ってる事もうかがえる。

さらにポケモンセンターでジョーイさんがムーランドの容態を説明してる途中で台詞が途切れる。
これもムーランドの死期が近づいてることを説明してるんだろうけど、台詞を聞かせないのがかえって怖かった。


-命を燃やして-

ニャビーに”ほのおのキバ”を習得させるため自ら実践して手本を見せるムーランド。
炎タイプのワザを、体に炎のオーラをまとってワザを使うのが、命の炎を燃やしてるみたいで、既に体を動かすのも苦しいだろうに最後にニャビーの為にできることをやろうとしてるのが切ない。

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ニャビーがワザを失敗して体に振動が走るシーンは、そんな切ない場面での僅かな癒し。
暗い雰囲気だけにならないように、ちょっとだけクスッとなるシーンをはさんでくるのは製作スタッフの心遣いだなと思います。


-死と新たな旅立ち-

ムーランドの傍で寝ていたニャビーが目を覚ますとそこにムーランドの姿はなく、夢の中の真っ白な光景の中でもうお別れとなってしまった。

かつて2匹が住処にしてた廃墟にも姿はなく、ムーランドが寝ていたソファーの足が壊れてまた木の葉が散って、その後ムーランドの姿が映ることもなく、ロトムが訊ねるとククイ博士は聞くなと一言返すだけ。
もうムーランドは何処にも居ないんだという事を否応無しに突きつけていて悲しい。

空は曇り空から雨へと変わって画面も全体的に暗くなりニャビーの泣き声が響く。
ニャビーもムーランドの死を理解して悲しんでることが分かる。


ポケモンの死をどう見せるのか。
ムーランドが死ぬ事は予測できたのでどう見せてくるのがが一番気になってたのが正直なところでした。
ムーランドが事切れる瞬間を見せることもなく、亡骸が映ったり何処かで葬られる様子が映ることもなく、「死」という言葉が出てくることも無く。
なのに死んだということは嫌でも分かってしまう、もうムーランドはいないんだということが伝わってしまうのが凄まじい演出力。
前シリーズでもロボンやシトロイドで間接的に死を見せる演出がありましたが、直接死を見せられないからこそ出来る演出がここまで強烈な印象に残るとは。


そして悲しみを乗り越える、ニャビーの旅立ちの演出もまた素晴らしかった。

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「ニャースのバラード」2番の歌詞に合わせて雲の隙間から太陽の光が差し込み、宙に舞う木の葉をニャビーが追いかけるとその視線の先に虹がかかっていてムーランドの形をした雲があった。
悲しみの時は終わって新たな旅立ちをするようにとニャビーの背中をムーランドが押してくれてるような。
ムーランドはもう居ないけどニャビーが生きていくための支えになっていることを表しててこれも強く印象に残りました。


-旅立ちを支える者-

雨が続いてる間、ニャビーが悲しんでる間サトシもニャースもずっとニャビーを気にかけていた。

ニャースは16話でニャビーに誘いを断られ吹っ飛ばされた遺恨もあるだろうにあくまでニャビーの助けになればと行動してる。
ポケモン同士、ニャースの方がニャビーの気持ちを分かってやれるはずだが自分が付きっきりになるよりサトシにニャビーを託そうとして影から見守るというのがカッコいいなあと。
普通のポケモンとは違う特殊な生い立ちを持つポケモン同士で気持ちが分かるからこそ、あえて自分が傍に居るよりサトシに託そうとしたのかなあと。


サトシはニャビーを仲間にして一緒にムーランドが教えてくれたワザを完成させようと誘う。
ただしすぐにはゲットせずバトルで実力を示してからの仲間入り。
オボンの実を食べさせようと互いに譲り合おうとしてたシーンがあって、既にサトシに心を開いていることがうかがえるのに、そのまますぐに仲間入りしないところがニャビーのプライドを表してて、それを理解してバトルに応じるサトシもニャビーの事を本当に大事に思ってる事が分かって良かったな。


ムーランドはもう居ないけど見守ってくれる者や新しい仲間はいる。
これまでのエピソードでサトシやニャースと関わってきた事がニャビーの新しい旅立ちを支える事になるんだから良く考えられたストーリーだなと本当に感心します。


-偶然が巡って-

石塚さんのナレーションでこれまでの出来事を振り返るシーン。
まず画面が暗くなりサトシとモクローとニャビーだけに色が付いてるカットがあってそこから回想が続くというものでした。

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ここでムーランドに色がついてないのは、やはりムーランドの死を暗示させるものであり、ニャビーはこれからムーランドではなく他の者達と、色がついているサトシやモクローと一緒に生きていくという事を表す演出だったのかなと。

サトシとは7話で関わりを持ち、モクローとは16話の迷子騒動で面倒を見ることになって印象に残ってるから色がついてて、ピカチュウに色がついてないのはニャビーにとってはまだそんなに大きな存在じゃないからということでしょうか。


16話の騒動はアシマリのバルーンの練習中に偶然が重なって起きた事ですけど、あれがなければニャビーはモクローと関わりを持つ事もなかったしニャースがニャビーの事を知って気にかけることも無かったんですよね。
思いがけない偶然が巡り巡ってニャビーの新たな旅立ちを支える事に繋がっている。
16話を見たときは冒頭から笑いっぱなしでしたが、それがこんなにドラマチックな話に繋がるとは驚きです。



20周年の節目にサトシとピカチュウの絆を見せて温かくなった前半30分。
そしてポケモンの死という難しいテーマに挑んだ後半30分。
どちらも素晴らしいエピソードで新年度早々こんなに凄いものを見られるなんて贅沢な1時間でした。

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コメント

レギュラーに女子が3人いるからこそのショッピング描写でしたね

寿命で言うとサトシがゲットすることになるキモリが守っていた
巨大樹のことも思い出しますね。

投稿: kivaxtuto | 2017年4月 8日 (土) 18時56分

コメント返信:kivaxtutoさん

ショッピング描写は仰るとおり今作じゃないと出来ないもので楽しく見ていられました。

巨大樹、そんなこともありましね。
ポケモン以外の命の終わりは何度か描かれてて、満を持してポケモンの死を扱った話だったなと思います。

投稿: んがよぺ | 2017年4月10日 (月) 08時07分

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