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2016年11月 4日 (金)

アニポケXY感想・XYZの伝説!

XYZ48話
「XYZの伝説!」
脚本:冨岡淳広
コンテ:牧野吉高
演出:しぎの あきら
作画監督:青野厚司 小野晃


-プラターヌ博士の語り-

博士が端末から伝記の内容を引き出して朗読する。
同行してるパンジーに内容を説明している体になっていますが、視聴者にも説明してるような語り口で今回限りのナレーションを務めてるようにもなってますね。
伝説を淡々と語るので普段のアニポケよりずっと静かで、一通りサトシたちの物語が片付いた後だから出来る話なんだろうなと思いました。

そしてこの淡々とした語りが厳しい現実を、伝説の中のジャンに訪れる結末と伝説のポケモンを通して描かれる自然の摂理を、これが現実であり実際に起きた事でどうやったって覆らないんだと突きつけてるみたいで厳しさを強調してるようにも思えました。


-結ばれなかった2人-

伝説の中に出てくるジャンとアイラは愛し合っていたがイベルタルの力でアイラは石にされてしまい、ジャンは元に戻せないかと奔走するがその願いは叶わぬまま彼は一生を終える。
命の理を悟り石になったアイラの傍で一生を終えた彼の表情はどこか満たされてるようにも見えるけど、愛する人の笑顔を2度見ることなく終わるなんて辛すぎる。

ジャンの一生は、もしかしたらアランの可能性の姿だったのかなと考える。
アランがもしマノンを救えなかったら。マノンの笑顔を取り戻すためとメガシンカエネルギーを集める旅を延々と続けていたら。その行く末はジャンのように大事な人の笑顔を再び見ることなく終わりを迎えることだったのかもしれない。


-抗えない理-

イベルタルが命を吸い取り、荒れ果てた大地にはゼルネアスの力で新たな命が芽吹いていく。
だけどアイラは戻ってこない。失われた命が戻ってこないのは本編でシトロイドが元通りにならなかったのと重なる。

命の終わりと新たな命の誕生と失われた命は元通りにはならないというこの世の理。
劇場版でもイベルタルとゼルネアスの力による破壊と再生を見せてはいたけど、その力によって一生を振り回されたジャンと命が戻らなかったアイラの存在、そしてこの一連の出来事を俯瞰するように伝説として淡々と語る博士の存在があることで、どうしようもない現実、抗えない理を劇場版以上に厳しく突きつけているように感じました。

裏を返せば、命に関わる力を持つポケモンを見せようとするとこれだけシビアになっちゃうから、劇場版は表現を抑えてたんだろうなとも今更ながら思いました。


-ジガルデの役目-

ゼルネアスの力を独占しようとしたとある国はジガルデによって滅ぼされた。
秩序を守るポケモンとしての、これがジガルデの本来の役目なんだなと。
このジガルデがプニちゃんもしくはZ2と同個体だったのかは分からないけど、こういう過去があったのなら2体とも最初は人間を信じていなかったのも納得できる。

ジガルデが人間を裁く姿は、本編でフラダリがやろうとしてたことと重なっても見えてくる。
秩序を乱すものとして真っ先に裁かれるのは人間。昔から人間の愚かさが変わらないことがこの伝説の中で語られたことで、フラダリがあんな行動に出たのも必然だったのかなと思えてしまう。

でも伝説の中で人を裁いたジガルデが現代では人の可能性を信じて守る方を選んでいる。
このジガルデと本編のジガルデが同一の存在かは分からないけど、人間への認識を改めさせることになったユリーカとプニちゃんの出会いは本当に奇跡だったんだなと思える。


-切り開けなかった未来-

ジャンとアイラの村にイベルタルが来ると予言したマジカ。
名前や容姿からしてゴジカのご先祖様なんだろうな。

彼女の予言どおりイベルタルが現われて村は滅びてしまった。
村の長はジャン一人にイベルタル討伐を命じて結局何も出来ないまま滅びを迎えることになった。
現代でもゴジカが予知した災いを避ける事はできなかったが、多くの人が力を合わせることで乗り越えることは出来た。

来ると分かってる災いには皆で立ち向かうしかない。
ジャン一人に全て背負わせようとした時点で村の人々の未来は決まってしまって変えることは不可能だったんだろうなと。
この出来事が語り継がれてゴジカに伝わっていたからこそ、現代でゴジカは多くの人に呼びかけて災いに立ち向かうことが出来たんじゃないかな。

古代の人は未来を切り開けなかったけど、それすらも無駄ではなく長い時を経て現代の人々を救う糧になったんじゃないだろうか。


淡々と語られる伝説と変えられない現実。
絆の勝利を見せたフレア団編とこれ以上なく綺麗に締めた最終回を見せた後で、どうしようもない人の愚かさと覆さない世界の現実を見せつけるなんて意地が悪いというか。
監督の意向か冨岡さんの作家性か。たぶん冨岡さんが命の理を描くならとことんやってやるって思ってこうなったのかなあ。
何にせよ、こういう厳しい話ができるのも本編を綺麗に完結させて特別編という扱いだからこそ出来る事だと思うし、最終回の後もこんな挑戦的な話が見られて良かったです。

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