カクレンジャー45・46話感想
東映特撮YouTube Officialでカクレンジャー3度目の配信にあわせての感想記事。
45話・46話の感想になります。
45話「慌てん坊サンタ」
脚本 曽田博久
監督 小林義明
真夜中に民家に忍び込む怪しい影。
妖怪・・・ではなくてクリスマスの日付を間違えた子供のサンタだった。
しかし持ってきたプレゼントにはムカデが入ってて妖怪の罠が仕込まれていた。
このムカデをばら撒かせないためにプレゼントの発送元であるサンタの国へ向かうという話。
え~とまずどこから突っ込んだらいいのやら。
サンタの国があるという話。当然最初は信じてないカクレンジャーですがネコマルで飛んでいってちゃんと辿りついてるところでまず驚く。
後にゴーオンジャーでは別の次元にサンタの世界があることが描かれてましたけど、カクレンジャーのこの描写を見る限りでは別の次元とかではなく普通に地球の中の何処かにある国ってことですか。
ちびサンタが移動に使ってたのがトナカイとソリじゃなくて普通の車で、ちびサンタ曰くサンタも近代化してるとのこと。
まあ妖怪が現代に合わせて姿を変えてるという世界観のカクレンジャーならその理由も分からなくもないですが。
それと城の中で待機してるサンタたちが何かの映画を見てる描写もあったので結構俗っぽいのねこの世界のサンタは。
と、とりあえず考察してみましたが、忍者と妖怪の戦いの物語で何でサンタの国が当然のように出てきて話が進むんだこれ。
まあ元々何でもありありだったカクレンジャー初期の作風がちょっと戻ってきたってことでいいや。
サンタが槍を構えて警備する城に忍者が忍び込む。
う~んここだけ見たらシュール極まりない画だなあ。
しかしサンタに変装して紛れ込み、敵の陰謀を暴きだそうと行動するのは実に忍者らしくて良いですね。
そしてサンタの名誉を守るために自らムカデの犠牲になって他のサンタに危機を知らせるちびサンタの勇気ある行動が子供ながら立派でした。
サンタ達に急ぎプレゼントを配るよう指示していた長老が怪しい。
演じるのは大月ウルフさん。最近だと仮面ライダードライブへの出演が記憶に新しく何かと東映特撮に縁のある方です。
如何にも怪しそうな雰囲気が漂っていたが彼も操られていてオオムカデは別のサンタに化けていた。
そうとは気付かずオオムカデに騙されてネコマルに乗って飛び去っていくニンジャマン。
以前大魔王に騙された事がある過去が語られましたが、また騙されるとは本当にあわてん坊だなニンジャマン。
カクレンジャーはツバサマルに乗って追跡。
何気に戦闘以外でカクレンジャーがツバサマルの力を借りるのって初めてじゃないですか。
オオムカデに騙されてた事を知って怒りに燃えるニンジャマン。
サムライマンに変化しそうな勢いでしたが鶴姫に叱られて反省し一旦落ち着く。
あくまでサムライマンになるのは巨大化してからなのね。
等身大のサムライマンも一度くらい見てみたかったけどね。
久しぶりにカクレンジャーボールが炸裂。
今回はボールの色は変わってないけどニンジャマンも参加。
厳密にはカクレンジャーのメンバーではないけど一緒に戦う仲間なんだから必殺技に参加してくれるのは嬉しいですね。
巨大化したオオムカデも倒してプレゼントとサンタの名誉は無事守られた。
最後にクリスマスの夜を楽しそうに過ごす一家の様子が描かれてるのが良いですね。
サンタの国という舞台自体への突っ込みはあれど、ヒーローが人々が楽しみにしてる時間を守ってくれたというのが良いですね。
今回登場した妖怪オオムカデはアメフト選手みたいな格好で攻撃技もボールを蹴る事。
このデザインと技ならサンタ絡みの話じゃなくてカクレンジャーボールとの真剣勝負する話を作ってその相手として出てきてくれても面白かったかも。
まあボール対決なら21話でサルガミが既にやっちゃってるんですけどね。
46話
「新春まんが地獄」
脚本 曽田博久
監督 小林義明
古い漫画を漁っている少年・明が手に取ったのはカクレンジャーの最後と題された漫画。
この漫画が発端となりカクレンジャーを追い詰める事になります。
明が漫画を手にしてウキウキしているその頃、カクレンジャーは神社で必勝祈願。
ジライヤが十字を切っているのを見て、ああ彼はアメリカから来たんだったと今更ながら再確認。
おみくじを引いてたサイゾウは大凶を引いてしまい新年早々縁起が悪い。
この大凶が原因なのかこの後散々な目に遭ってしまう。
明が漫画を読み始めた事でカクレンジャーは漫画の世界へ閉じ込められ次々襲いかかる刺客に苦しめられる。
サイゾウだけは何故か変化できず一番苦しめられる事に。
大凶を引くわお尻に槍が刺さったり散々走り回ったりととことんついていない。
お金をなくしたり車を壊されてパンツ一丁にされたこともある、とにかくついてない男として描かれてたサイゾウの不運ここに極まるという感じです。
突然場所が移動してたり扉を開けても果てが無かったりひたすらに動き回るしかない状況を見せるこの演出は、ギャバンでマクー都市を演出した小林監督ならではでした。
サイゾウ役の土田さんが一番酷い目にあってますが、他のキャストもこの撮影はかなりキツかったんじゃないでしょうか。
漫画を読んでた明はカクレンジャーが追い詰められてる様子を見て声を張り上げて応援を始める。
ニンジャマンと出くわし一緒に応援するようになり、その声援が漫画の中にも届いた事で逆転の糸口が見つかる。
サスケがムジナのペンを奪って漫画世界の外へ向けて投げつけた事で脱出に成功。
一つの望みにかけて逆転するというのはサスケがこれまでやってきた逆転劇とも重なる。
単発回でも過去のエピソードを踏襲しているのが嬉しいですね。
明の声援、子供の応援でヒーローが逆転するというのも良かったし、漫画の外から応援してるというメタ構造になってるのも面白い。
講釈師がメタ視点でカクレンジャーの戦いを見ていたこともあったので、初期の作風を漫画を使った構造で復活させてるのも嬉しい。
戦いの後、ニンジャマンからカクレンジャーの漫画が明へプレゼントされ、最後はカクレンジャーからのメッセージで締める。
子供が劇中のカクレンジャーを応援し、カクレンジャーは子供へ向けて、明だけじゃなく当時この番組を見ていた子供達へ感謝を伝える。
メタ構造を活かした演出とシナリオが本当に面白いです。
今回登場の妖怪ムジナは自身を妖怪漫画界の水木しげると名乗る。
水木さんは妖怪達の生みの親、創造主みたいなものじゃないか。
その水木さんの名を使うなんて大胆不敵な奴だな。
しかし1年もかけて漫画を準備し策が見事にハマってカクレンジャーを追い詰めたんだから結構凄い奴だなあとは思う。
それと書いていた漫画がアメコミ風になってて、カクレンジャーの戦闘中にアメコミ風の擬音が現われることを踏襲しての内容になってたのも丁寧でしたね。
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コメント
自分の描いた漫画の通りにカクレンジャーが動き
カクレンジャーを始末するっていうとんでも能力も
カクレンジャーの作風だからこそですね
そういえばタイムレンジャーでも自分の描いた脚本通りに
物語が進みそれで始末しようとした敵がいましたが
あれは夢オチで実際には存在しなかったですね
投稿: kivaxtuto | 2016年10月26日 (水) 07時52分
コメント返信:kivaxtutoさん
何でもありのカクレンジャー初期の作風がちょっと戻ってきたからこそムジナのキャラも成立したんでしょうね。
一大決戦が終わって最終回前に初期の作風を今一度ということで今回の話が作られたのかなと思いました。
タイムレンジャーにもそんな奴いましたね。
靖子さんの脚本で夢オチとは意外で驚いた覚えがあります。
投稿: んがよぺ | 2016年10月28日 (金) 00時34分