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2016年7月16日 (土)

ポケモン映画2016感想

今年もポケモン映画の季節がやってきました。
短編が復活してから4年が経ちますが今年は再び長編一本に絞った映画となりました。

ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧のマギアナ」
初日観賞の感想になります。

-ロゴとアパンタイトル-

歯車に映る絵が繋がって今年のポケモン・ザ・ムービーのロゴが完成する演出がいかしてます。
カラクリがたくさん出てくる映画なのでそれを印象付けるのにも一役買ってますね。

そして恒例のアパンタイトルでこの世界のポケモンたちを紹介する。
昨年は伝説のポケモンの紹介に絞ったものでしたが、やはり自然と町の中に住む多くのポケモンたちを映し出す従来の方式のほうがしっくりきますね。

さらにメガシンカが人とポケモンの絆によって成り立つ姿と簡単でも説明してるのも良いですね。
本編の強制メガシンカがあってはならない事だとこのナレーションがあることで分かりやすくなる。

さらにコルニとアランの対決に触れていること。
テレビシリーズとのリンクをここで見せてくるとは早速サプライズがあって嬉しかったです。


-ボルケニオンと蒸気-

ボルケニオンは背中のアームから水と蒸気を発射する様子が繰り返し描かれてます。
水と炎のタイプを持つポケモンと宣伝されてましたが、蒸気と切り札となる大爆発で水と炎の2つの性質を持ってることをよく表せてたと思います。
また水を補給して蒸気を出す様子を繰り返し見せることで説明的な台詞に頼ることなくボルケニオンの能力を表していたのも丁寧でよかったです。

水を補給した時と水切れの時にアームの色が変わるのが蒸気機関のカラクリみたいだったのも良かったですね。
これがあることでカラクリがたくさん出てくる今作の世界観に違和感無く馴染んでいるし、蒸気を利用して空も飛べるから敵が空飛ぶカラクリを使ってても足手まといになることなく一緒に戦うことが出来る。

事前情報を聞いた時は水と炎のポケモンがカラクリの世界でどう活躍するのか疑問に思いましたが、蒸気を上手く演出に取り入れることで違和感無く見れるようになってたのはお見事でした。
それと蒸気が敵から逃げる時の目くらましになってたのも上手かった。


-ドジッ子?なマギアナ-

人が作ったポケモンで機械的な鳴き声を発するマギアナ。
最初姿を見た時は可愛いとはとても思えなかったんですが、体重を気にしてたり花が好きだったりと心は女の子そのものでガラリと印象が変わりました。
転んでしまうところもあざといなあと思いつつもただのの作り物じゃなく一つの命・心を持った生き物なんだということが感じられました。


-無垢な王子様-

ジャービスを信頼しマギアナ捕獲に動いているラケル。
サトシと顔を合わせた時にベラベラとマギアナのことを話しだす様子から人への警戒も無くマギアナが凄い力を持ってて国の為になることを微塵も疑ってないことがうかがえる。

キミア曰くラケルはカラクリの研究に没頭し外に出ることが少なかったそうな。
世界の広さを知らない、世界は綺麗なことだけではないと知らない故の無垢さなのだと分かる。

ジャービスに騙され後悔し、サトシの提案をうけて最後には旅に出る様子が描かれる。
ただ騙されてお役御免ではなく反省する姿と見識を広げるための一歩を踏み出すまで見せてくれたのは良かったです。


-力への恐れ-

ロケット団が連れてきたカイロスとヘラクロスを撃退するために大爆発を使ったボルケニオン。
その力で山を吹っ飛ばしてしまったこともあるとサトシに話す。
高原のポケモンたちを守っているボルケニオンだがみんなから離れて洞窟から見守っているのはその力でみんなを巻き込むことを恐れているのか。
マギアナも自分の力が利用されることに悲しんでいたし、自分が持ってる力の強大さを知っててそれを恐れているということでマギアナと通じる部分があったのかなと思う。
2匹が長い時間を共にしているのはそういう点で似たもの同士だったからなのかなと。


-細かな演出の気持ちよさ-

細かい部分でよいと思った演出がいくつか。

OPが流れる前にロープを木に括りつけてそこに洗濯物をかけて干す様子が見れてサトシたちが野宿に慣れてることが分かります。
またサトシがいつもの服から一度着替えてセレナが洗濯してくれた元の服に戻るという様子も見られました。
服が汚れたら着替えるのは当たり前のことですがその当たり前をちゃんと描いているのは好感が持てます。
生活感が表れててリアリティが感じられるというか。

 
500年前のマギアナはモンスターボールに近い色だったのに現代では銀色になっていますが、回想シーンで他のポケモンたちと交流する様子と併せてマギアナの体の色が徐々に剥げていく様子も描かれてて、色が違う理由
もすんなり理解できるようになっている。


高原に向かう途中霧の中を歩いていたが、シトロンのエイパムアームにみんなが掴っててはぐれないようにしていた。
サトシとボルケニオンはリングで繋がってるからはぐれようがないが他の皆はそうではないからこういう措置が必要なことを僅かなシーンでも見せているのが良いですね。


高原がジャービスたちに狙われてポケモンたちが逃げる様子が描かれ、その中でモグリューが穴を掘って他のポケモンたちがそれに続いて隠れる様子が細かくてよかったな。その後ポケモンたちがカラクリに囚われて苦しめられるが、そのカラクリが岩を締め付けて砕く様子を僅かだけど見せてたのも良し。
敵が恐ろしいことをしてることが言葉にせずとも肌で感じられるようになってる。


これらの演出は本筋であるボルケニオンとマギアナの物語とジャービスとの戦い等にはあまり関わりのないことではありますが、本筋以外の小さなことにも手が行き届いてるのは見ていて気持ちの良いものでした。


-綺麗なことだけじゃない世界-

高原のポケモンたちと交流し仲良くなろうとするがみんな訳ありであることがボルケニオンの口から語れて綺麗ごとだけではどうにもならないことが描かれる。
高原に向かう途中ではポケモンハンターにも遭遇したしボルケニオンが人間を嫌う一番の理由として人間が嘘つきだと言った後に今作一番の嘘つきであるジャービスの本性が表れたりとどうしようもない人間の醜さを見せつけている。
サトシがリングを外してくれた感謝の気持ちでゴクリンを抱きしめるがそれはゴクリンにとってのトラウマであったりと、人間の思うことが必ずしもポケモンの為になってはいないことを描いていたのも結構きつかった。

酷い人間はいるし良いことだと思ったことがそうではないこともある。
それを知ってもサトシはポケモンたちの心に寄り添おうと、人とポケモンが仲良くできることを諦めないのが良いなあと。

サトシがラケルに旅に出ることを提案したのは、自分も綺麗ごとだけじゃないことを知ったからこそラケルにも世界を見て強くなってほしいと思ったのかなあと考えてみたり。


-外道ジャービス-

ラケルを騙しマギアナから無理やりソウルハートを奪い取ったジャービス。
さらに抵抗するマギアナの心を潰すために高原を焼き払おうとし計画が失敗しても要塞を落とす仕掛けまでしていくという徹底した非道な行いに寒気がする。

人間が悪役となるポケモン映画はこれまでもありましたが、ここまで悪に徹したキャラも珍しい。
これまでの悪役だとどこか可愛げがあったり悪に走ってしまった理由を垣間見るような描写もありましたがジャービスについては一切そういうのが無いのが驚きでしたね。

人間を信用しないポケモンが出てきて世界は綺麗ごとだけじゃないことを描くためにも悪に徹した存在が必要でこうなったのかなあと考えます。


-嘘とくしゃみ-

人間は嘘つきでポケモンは嘘はつかないと言ってたボルケニオンが要塞を壊すために嘘をついて皆を逃がす。
予測できた展開だけどこれは泣けます。人間を嫌ってたのに嘘をついてまでサトシたちを爆発から遠ざけたんだからね。

そして高原へ戻ってきたものの倒れるボルケニオン。
命が尽きたかと思ったがマギアナが出した花の花粉でくしゃみをして目を覚ます。
ここで霧がかかって暗い雰囲気だったのが、霧が吹き飛んで明るい画に変わるのが素晴らしい演出でした。
橋の下で押し問答してた時にくしゃみをしたことがボルケニオン復活につながるとは思わなかったなあ。

方や予想通り、方や予想外のシーンでしたがどちらも前振りが効いてとても良かったです。


-見守るロケット団-

ジャービスの協力者として活動するが一転して反抗するロケット団。
ニャースはマギアナの心の通訳としても活躍し例年より出番が多目に感じられました。

最後に高原のポケモンたちとサトシたちが心を通わせた様子を見ながら去っていくシーンがありましたがこれが凄く良かった。

ロケット団の2人と1匹は人とポケモンが真に対等であるチームだと思っています。
言うなれば人とポケモンの理想の関係。
その理想である彼らがわだかまりのとけた人とポケモンの姿を見守っていて、いつもなら「いいかんじー」と言って退場するところを無言というのが意味深に思えた。

理想であるロケット団が「いいかんじー」と肯定の言葉を言わないのは、高原のポケモンたちはサトシたちとの絆は紡いだが全ての人間に心を開いたわけじゃない、全てが綺麗になったわけじゃないと表してたのかなと。
ポケモンと真に分かり合い対等でいられる人間は僅かな者しか、理想に届くものは僅かしかいない。
ラストのロケット団はサトシ達を一段上の次元から見ているというものだったのかなと。

でも何も言わない、否定の言葉も言わないのは、ここで紡がれた絆は確かなものとして認めて見守っているということなのかなと。
そんなことを考えてみた。


こんなところでしょうか。
他にもアゾット王国のカラクリに目を輝かせるシトロンとか密かにパーフェクトフォルムとなって高原を守ってくれたプニちゃんとかデデンネが電気の通信を使ってピカチュウの居場所を探ったりとかバトルシーンは素直にカッコよかったなとか色々あるんですけどひとまずここまでで。

今年も素晴らしい映画と楽しい時間をありがとうございました。

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コメント

人間が悪役のケースは過去にもありましたが
人間の悪役ゲスト自体久し振りでしたね

それとXY&Zの映画アレンジですが
OPの映画アレンジがOPとして流れるのも久し振りでしたね
(最近だと流れても本編のをそのまま使用だったり)

絆がないメガシンカ相手に
絆のある普通のポケモンが立ち向かう
良くも悪くもベタですがよいものです

投稿: kivaxtuto | 2016年7月16日 (土) 23時40分

コメント返信:kivaxtutoさん

「破壊の繭」だと盗賊たちが出てきましたが、全編にわたっての黒幕となると「幻影の覇者」以来になりますかね。
人間を徹頭徹尾悪役にするというのもなかなか難しいのかなと思います。

映画用のアレンジOPは無印時代はよくやってたのに以降のシリーズは偶にしかやらないのが寂しかっただけに素直にかっこいいアレンジを流してくれたのは良かったです。

記事には書きそびれちゃいましたが、絆の無いメガシンカにサトシたちが立ち向かいほぼ無双状態だったのはスカッとしましたね。

投稿: んがよぺ | 2016年7月18日 (月) 09時28分

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